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夫婦別姓 選択に道を開くときだ 10月4日(日)

 夫婦が希望すれば、結婚した後もそれぞれの旧姓を名乗ることができる。この「選択的夫婦別姓」を導入するための民法改正案について、千葉景子法相が早ければ来年の通常国会に提出する考えを示した。

 政府の法制審議会が選択的夫婦別姓にゴーサインを出したのは1996年。なのに法制化は見送られてきた。自民党内などに「家族のきずなを弱める」といった反対論が根強くあるからだ。

 現実は制度を追い越している。婚姻届を出さない「事実婚」のカップルがいまでは珍しくない。職場で旧姓を「通称」として使っている女性も多い。

 結婚や家族のかたちは多様さを増している。それを明治期につくられた民法の家族像に押し込めようとするのは無理がある。多様な姿を認め、別姓の選択に道を開くべきだ。長い目でみると少子化対策にもつながる。

 女性の社会進出が広がり、結婚後も旧姓で仕事を続けたいと願う女性が増えている。姓の変更や戸籍姓と通称姓の使い分けは、社会生活上の不都合が大きい。

 夫婦同姓を強いられることの違和感や、姓を変える側の苦痛を互いにおもんばかって、事実婚を選ぶカップルもいる。

 家庭や家族のあり方についてはさまざまな考え方があって当然だ。内閣府が2006年に行った世論調査でも、選択的別姓への賛否は拮抗(きっこう)している。

 同じ姓に家族のきずなを確かめる人もいる。一方、別々の姓を切実に望む人がいる。大事なのは、自分の考えを押しつけず、多様な価値観や生き方を認め合うことだ。選択的別姓の制度が導入されても、同じ姓を名乗りたい人は不利益を被らない。

 別姓が「家族崩壊」につながると心配する声がある。海外に目を向けてほしい。フランスは事実婚のカップルが契約を結べば、法的な結婚と同等にみなす。お隣の韓国は伝統的に夫婦別姓である。別姓が家族のきずなを揺るがすわけではない。

 選択的夫婦別姓は、国会で女性議員が中心となって法制化に取り組んできた。千葉法相もその一人だ。福島瑞穂・男女共同参画相をはじめ、事実婚をしている国会議員もいる。

 総選挙で女性の衆院議員は、過去最多の54人となった。全体では1割強でも、存在感を増している。しっかり声を上げ、男性も女性も生きやすい社会となるよう議論を深めてほしい。

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