ファイル交換ソフト「ウィニー」の開発者を逆転無罪とした8日の大阪高裁判決は、ソフトを使った著作権侵害行為について、開発者がほう助罪に問われる範囲は限定的とする基準を明確に示し、罪の成立を否定した。開発者の創造性に一定の配慮を示したが、ウィニーを使った違法コピーが横行する実態は深刻化しており、著作権者の被害を食い止める有効な対策が急務だ。
一審・京都地裁の判決は、ほう助罪の成立要件に関して、「ウィニーの現実の利用状況やそれに対する認識、提供する際の主観的態様がどうかということによる」との基準を提示していた。しかし高裁は「現実の利用状況の把握は困難で、主観的意図がネット上に明らかにされる必要があるかどうかもはっきりしない」として、一審の基準は相当ではないと判断した。(19:15)