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岡田外相 村山談話「言葉より行動」 東アジア共同体、米加えず

10月8日7時56分配信 産経新聞

 岡田克也外相は7日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で講演し、村山談話(平成7年)について「(アジアに)まだ納得できない人が一定範囲でいることは事実だ。それ以上に言葉よりも行動だ」と述べ、より踏み込んでいく考えを示した。日中韓の歴史教科書問題では「将来の理想は(日中韓)共通の教科書を作ることだ」と述べ、現行の教科書検定制度に疑問を投げかけた。9日の日韓首脳会談、10日の日中韓首脳会談を目前に岡田氏の発言は波紋を呼びそうだ。

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 岡田氏はまた、鳩山由紀夫首相が提唱する「東アジア共同体」構想について「日本、中国、韓国、東南アジア諸国連合(ASEAN)、インド、オーストラリア、ニュージーランドの範囲で(構成を)考えたい」と述べ、米国は正式な加盟国としない形で創設を目指す考えを示した。

 その上で「まず経済から始めエネルギー、環境、保健衛生などに協力分野を拡大していきたい」と述べ、日中韓首脳会談でも議題にする考えを表明。通貨統合は「かなり先の話になる」との見通しを示した。

 米国との関係については「日米同盟は安全保障に不可欠でそれを変える選択肢は持っていない」とした上で、「日本には日本の国益、米国には米国の国益がある。米国との関係を心配する声もあるが、NAFTA(北米自由貿易協定)やEU(欧州連合)に入っていないからといって日本が排除されているわけではない」と説明した。

 歴史認識については「過去に行った戦争で被害を受けた人たちの気持ちは簡単に解決できるものではない」と述べ、村山談話の踏襲だけでは不十分だとの認識を表明。「過去の政権では村山談話があるにもかかわらず、これに反する閣僚などの発言があり、『悪かったと思っているのか』と疑問を抱かせた。そういうことがないようにしていきたい」と述べた。

 教科書検定については「この問題は大変難しい。日本の教科書は基本的に制作者が自由に作ることができる。どこまで国が関与できるかという問題がある」と述べ、「将来的には理想的な形として(日中韓の)共通教科書を作ることだが、そこにいくのはだいぶん先だ。その第一歩として歴史の共同研究は重要なことだ」と述べた。

 一方、アフガニスタン支援について「兵を出すことばかりが支援だとは思っていない」と述べ、自衛隊派遣に慎重な姿勢を示した。

【用語解説】村山談話 戦後50年にあたる平成7年8月15日、村山富市首相(当時)が発表した談話。アジア諸国に対し、日本による植民地支配と侵略を謝罪した。鳩山由紀夫首相は就任前の今年8月、「私どもは村山談話の思いを十分に受けた政権にしたい」と述べた。談話をめぐり昨年10月、政府見解(村山談話)と異なる見解を表明したとして田母神(たもがみ)俊雄前航空幕僚長が更迭された。

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最終更新:10月8日8時26分

産経新聞

 

岡田克也

岡田克也(おかだかつや)
所属院 選挙区 政党:
衆議院 三重県第3区 民主党
プロフィール:
1953年7月14日生 初当選/1990年 当選回数/7回

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