足利事件弁護人、幹部警官に講義 可視化しても真実追求を足利事件で再審無罪が確実な菅家利和さん(62)の主任弁護人を務める佐藤博史弁護士が7日、都道府県警察で捜査指導に当たる幹部警察官を対象にした警察大学校の研修で講演した。佐藤弁護士によると、取り調べの全過程の録音・録画(可視化)をしても真実を追求できるよう、取り調べ技術の向上を図ってほしいと求めた。 また菅家さんの「自白」を引き出した当時の捜査について「DNA鑑定という新技術を過信し自白の吟味を怠った」と述べ、新技術の捜査への応用に細心の注意を払うべきだと指摘した。 司法・警察当局は可視化は事件解明の支障になる恐れがあるとして反対している。一方で警察庁は取り調べ適正化指針を作成。この一環で講演が実現した。 佐藤弁護士は「冤罪事件を契機に可視化が導入された英国の経験に学ぶべきだ」と主張。受講者からは英国とは事情が違う、との声も出たが「日本の風土にふさわしい形を工夫して作る時期だ」と注文したという。 【共同通信】
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