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「東アジア共同体」構想に米を加えず 岡田外相
岡田克也外相は7日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で講演し、鳩山政権が村山談話(平成7年)について「(アジアに)まだ納得できない人が一定範囲でいることは事実だ。それ以上に言葉よりも行動だ」と述べ、より踏み込んでいく考えを示した。日中韓の歴史教科書問題では「将来の理想は(日中韓)共通の教科書を作ることだ」と述べ、現行の教科書検定制度に疑問を投げかけた。日韓首脳会談(9日)、日中韓首脳会談(10日)を目前に岡田氏の発言は波紋を呼びそうだ。
また、岡田氏は、鳩山由紀夫首相が提唱する「東アジア共同体」構想について「日本、中国、韓国、東南アジア諸国連合(ASEAN)、インド、オーストラリア、ニュージーランドの範囲で(構成を)考えたい」と述べ、米国は正式な加盟国としない形で創設を目指す考えを表明した。
岡田氏は10日に予定される日中韓首脳会談で東アジア共同体について意見交換する考えを表明。「まず経済から始めエネルギー、環境、保健衛生などに協力分野を拡大していきたい」と述べ、域内の通貨統合は「かなり先の話になる」との見通しを示した。
歴史認識については「過去に行った戦争で被害を受けた人たちの気持ちは簡単に解決できるものではない」と述べ、村山談話の踏襲だけでは不十分だとの認識を表明。「過去の政権では村山談話があるにもかかわらず、これに反する閣僚などの発言があり、『悪かったと思っているのか』と疑問を抱かせた。そういうことがないようにしていきたい」と述べた。
教科書検定については「日本の教科書は基本的に制作者が自由に作ることができる。どこまで国が関与できるかという問題がある」と検定制度への国の介入に疑問を投げかけ、「将来的には理想的な形としては(日中韓の)共通教科書を作ることだが、そこにいくのはだいぶん先だ。その第一歩として歴史の共同研究を行っているのは重要なことだ」と述べた。
一方、アフガニスタン支援について「兵を出すことばかりが支援だとは思っていない」と述べ、自衛隊派遣に慎重な姿勢を示した。