ワシントン(CNN) 3日にアフガニスタン東部ヌリスタン州で米兵8人が死亡した国際治安支援部隊(ISAF)と武装勢力の交戦で、武装勢力が攻勢を強め、現地の米軍基地の敷地内に入る場面があったことが、米情報当局の最新報告書で明らかにされた。米軍消息筋がCNNに語った。
現場はカムデシュ地区の渓谷に設置されたキーティング前進作戦基地で、周囲を取り囲む尾根から武装勢力に襲撃された。同基地は人口集中地域に兵力を移すアフガン駐留米軍のマクリスタル司令官の方針で、近く閉鎖が予定されている。
武装勢力はイスラム強硬派タリバーンの指導者らと地元の戦闘員を合わせた200人前後で、数日間の攻撃を見込み、迫撃砲やロケット弾、重機関銃を山間部に隠していた。攻撃のタイミングを見極めるため、同基地の米軍部隊が出発の準備を進めている様子を監視していた可能性もある。
武装勢力は高所から同基地を襲撃し、米軍部隊が後退した際に同基地の外周を突破した。複数の関係筋によると、双方は午前5時頃から約12時間、米軍部隊が基地敷地内の安全を再び確保するまで交戦。最も激しい戦闘は約7時間続いた。
米軍部隊は戦闘ヘリコプターの出動を要請したが、武装勢力による放火の煙で視界が悪化し、渓谷の狭さという地理上の悪条件と重なって、空からの攻撃の障害となった。ヘリは武装勢力の反撃で度々後退を迫られ、ヘリ1機には着弾した。
最終的にはISAFが優勢に転じ、北大西洋条約機構(NATO)によると武装勢力100人以上が死亡した。