知る×つながる=動きだす カナロコ 神奈川発コミュニティーサイト

ログイン

新規登録

  • お問い合わせ
  • たびたびある質問
  • サイトマップ

コラム「フルマーク」/解体的出直しが必要

2009年10月6日

 ソーシャルブックマーク  (ソーシャルブックマークとは)

【横浜―ヤクルト】8回表、1死二、三塁と追い込まれ、降板を告げられる横浜・高崎(左から2人目)=横浜

【横浜―ヤクルト】8回表、1死二、三塁と追い込まれ、降板を告げられる横浜・高崎(左から2人目)=横浜

 最終戦の本拠地に冷たい雨が降りしきる。今年も負の記録に彩られた惨劇が再現した。

 最下位から再起を懸けた大矢第2次政権3年目は「若い力」を前面に船出した。キャンプから即戦力と評されたルーキーを積極的に登用し、開幕には松本、山崎、細山田の3人が登録された。不確定要素の多いまま開幕を迎え、球団ワーストタイの6連敗で始まった。

 石井(広島)、仁志の二遊間は石川、藤田の若手へ移行。新人細山田がマスクをかぶる捕手陣の層の薄さで、センターラインの確立もままならなかった。昨季リーグ最少のチーム61失策が今季はワーストの99失策。守備崩壊は極まった。

 指針なきフロント戦略も暗い影を落とし続けた。低迷した昨季の大矢監督に続投要請しながら、交流戦前の5月中旬に早々と見切る。2軍の田代監督代行が後を継いだが、交流戦も2年連続の最下位。打線は固定しきれず、1番吉村、2番ジョンソンというその場しのぎの苦しい布陣を試みたこともあった。

 この日の継投策も最下位の甘さがにじみ出る。八回から登板の2番手高崎が1死二、三塁とピンチを広げると、ここで指揮官は工藤を指名。青木の2点適時打で同点とされ、続くガイエルに2ランを浴びて勝ち越された。今季限りでの退団が決まっている工藤への温情でもあったが、来季を見据え、その貴重な1枠を若手に与えることはついぞなかった。

 今季は本拠地でも22勝43敗と大きく負け越した。田代代行は「なかなか勝てなかったが、ファンが一生懸命応援してくれて、本当にありがたい。これをばねに、来年はファンにいい思いをさせなければ」と声を振り絞るのが精いっぱいだった。

 フロント、現場が一体となって解体的出直しを覚悟する改革が断行されない限り、歴史は再び繰り返される。


神奈川新聞購読のお申し込み

神奈川新聞 試読のお申し込み

企画特集【PR】