公文書の「黒塗り」が消えました。防衛省は航空自衛隊によるイラク空輸活動を記録した公文書を初めて全面公開しました。全体の7割以上が兵士で、イラク空輸が、実質、戦争の後方支援だったことが改めて分かりました。
情報開示されたのは、イラク空輸を記録した「週間空輸実績」のうち、2006年7月から空輸活動が終わった去年暮れまでの2年5か月分です。
この間、空輸した人数は2万6000人余りで、そのおよそ7割にあたる1万8600人は米軍などの兵士で、空輸が実質、軍隊の後方支援だったことがうかがえます。
イラク空輸の文書をめぐる情報公開請求に対し、自民党政権では、ほとんど黒塗りで、実態は不明でしたが、今回、北澤俊美防衛大臣は不開示の理由がないとして、初めて全面公開しました。
「国民の知る権利、そして国民が知って初めて自衛隊をコントロールできるという最低限のことが理解される政府になったのかなと」(公開請求した近藤ゆり子さん)
航空自衛隊のイラク空輸については、去年4月、名古屋高等裁判所が、武装兵の輸送は憲法違反だという判断を示しています。(06日11:43)