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ネット情報飲酒検問スルリ/県警四苦八苦

2009年09月26日

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 飲酒運転の撲滅を目指している県警が、大きな壁にぶち当たっている。検問情報が専門のインターネット掲示板だ。県警の公開情報に含まれていない飲酒検問や巡回地点がリアルタイムで書き込まれるため、「検問の効果が薄い」(県警幹部)。中には掲示板を利用し、帰宅途中までは代行業者に運転を頼み、検問を過ぎてから飲酒運転するという悪者もいるらしい。県警も短時間に検問場所を変えるなどしているが、ネットの利用規制はできず、根本的な解決策を見いだせずにいる。(大蔦幸)

 「旧国道354号線つくばみらい上下線で検問 9月23日9時52分」「土浦北入り口飲酒検問 9月13日20時42分」。あるネット掲示板には、検問が始まると即座に誰かが書き込んでいた。掲示板は携帯電話のサイトもかねているため、「書き込みは50文字以内」と制限されているが、場所を記すには50文字で十分。世の中にはそんな掲示板が複数ある。

 県警も毎日、交通取り締まり情報として、おおまかな検問地点などをホームページなどで明らかにしているが、それは「抑止効果」を狙っての公表。掲示板は明らかに、検問逃れに利用されていると見られる。

 県警交通指導課によると、飲酒運転による検挙件数は、06年が3966件、07年は2913件、08年は1817件と減少傾向にある。福岡市で幼い子ども3人が死亡した06年の事故を機に、飲酒運転の厳罰化が進んだ影響もあるが、それだけではない。ネットを使い、検問をすり抜けているケースがあるとみられる。実際、「一斉検問を始めると、途端に交通量が減った日もあった」(県警)。

 対策として県警は、年3回広報している取り締まりの「強化月間」のうち、今年6月についてはあえて伏せた。これにより飲酒運転の検挙数が増えるかと期待したが、結果は前年の同月間より4割減ってしまった。

 定期的に掲示板をチェックし、リアルタイム情報に書き込まれた検問場所を見つけると、早めに切り上げて別の場所に移動して検問する手法も試している。ただ、変更地点がネットに書き込まれている可能性もあるという。

 県警交通指導課の楡木(にれ・き)義春課長は「掲示板はやっかいだ。飲酒運転を根絶するサイトがあるといいのだが、抜け道ばかり探す人が多すぎる」と悩む。

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