2009年10月06日

友愛行政で「地獄」から脱出しましょう

2つのニュース報道を紹介します。



<亀井金融担当相>「家族間の殺人事件増加」で経団連を批判 亀井静香金融・郵政担当相は5日、東京都内で行われた講演会で、「日本で家族間の殺人事件が増えているのは、(大企業が)日本型経営を捨てて、人間を人間として扱わなくなったからだ」と述べ、日本経団連の御手洗冨士夫会長に「そのことに責任を感じなさい」と言ったというエピソードを紹介した。御手洗会長は「私どもの責任ですか」と答えたという。毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091005-00000108-mai-bus_all 


行政刷新会議に稲盛・京セラ名誉会長、片山・前鳥取知事 鳩山内閣が税金の無駄遣いを洗い出すために新たに設置した「行政刷新会議」の陣容が固まった。仙谷由人行政刷新相は5日、民間企業出身の主要メンバーとして、稲盛和夫・京セラ名誉会長(77)と茂木友三郎・キッコーマン代表取締役会長(74)を起用する方針を固めた。首長経験者としては、前鳥取県知事の片山善博・慶応大教授(58)を起用する意向だ。 



稲盛氏は民主党の小沢一郎幹事長と近く、同党の「後見人」的な存在。

朝日新聞
http://www.asahi.com/politics/update/1005/TKY200910050439.html 



亀井大臣の発言は物議を醸し出すでしょうが、私はまさに正論であると亀井大臣を支持致します。派遣社員を「活用」しない稲盛主義の稲盛氏も同じ考えでしょう。 


稲盛氏の著書には「日本社会の現状の見方」が書かれています。長妻昭厚生労働大臣が、同じ内容の話を紹介していますのでご覧ください。


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地獄と極楽は人の心にあり(日経ビジネス05.12.2606.1.2新年合併号「敬天愛人」稲盛和夫より抜粋)


得度の際にお世話になった西片たん雪ご老師(現・妙心寺派管長猊下)とは、若い頃から親しくさせていただいているのですが、2人でお酒を酌み交わしていると、ご老師がこんな話を聞かせてくださいました。


ある時、若い雲水がご老師に、「地獄、極楽というものは本当にあるのでしょうか」と尋ねたというのです。禅宗と言うのは、来世のことについてはほとんど教えないからでしょう。その雲水は問います。地獄に行くと閻魔大王や怖い鬼がいて、人が現世で犯した悪行の報いを受ける、一方の極楽は大変素晴らしい所だと子供の頃から聞かされてきましたが、そんなものが本当にあるのでしょうかと。


ご老師はすかさず、「うむ、確かにある」と答えます。雲水は「どんな所なのですか、地獄と極楽というのは」と聞きます。そして、ご老師は静かに語り始めました。実は、地獄も極楽もちっとも変わらない。少し見ただけでは同じような場所なのだ。けれども、そこに住む人たちの心が違う。


例えば釜揚げうどんはとてもおいしいだろう。地獄にも極楽にもそれはそれは大きな釜があって、お湯がぐつぐつ煮立っている。うどんを湯がいているその大きな鍋の周りを、腹をすかした者たちが10人も20人も取り巻いている。手にはつけ汁のお椀と2mもある長い箸を持っている。ここから先が違うのだ。


地獄では、みんなが我先に争って箸を突っ込む。何とか、うどんをつかむことはできるのだけれども、箸が2mもあるものだから手元のつけ汁のお椀にまで持ってくることができないし、食べることもできない。そうこうするうちに、向こう側にいる者が箸先に引っ掛かっているうどんを横取りしようとするので、「それは俺のもんだぞ、食うな」と怒り、相手を箸の先で叩き、突く。すると「何を、この野郎」と相手も突き返してくる。


そんなことがそこらじゅうで始まって、うどんは鍋から飛び散ってしまって、誰も1本も食べられずに、殴り合いの喧嘩が始まってしまう。もう阿鼻叫喚の巷と化してしまうのだ。それが地獄なのである。


では、極楽というのはどうなっているのか。極楽にいる者は皆、利他の心、他人を思いやる美しい心を持っている。2mの箸でうどんをつかんだら、釜の向こう側の人のつけ汁につけて、「さあ、あなたからお先にどうぞ」と言って食べさせてあげる。すると、今度は向こう側の人が同じように自分に食べさせてくれる。1本たりともうどんを無駄にすることなく、みんながおなかいっぱい食べられる。


地獄と極楽は確かにある。人の心のありさまがそれらを作り出すのだよと、ご老師は若い雲水に話して聞かせたというのです。

http://naga.tv/profile/words/index.html
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あび-きょうかん【阿鼻叫喚】
非常な辛苦の中で号泣し、救いを求めるさま。非常に悲惨でむごたらしいさま。地獄に落ちた亡者が、責め苦に堪えられずに大声で泣きわめくような状況の意から。▽「阿鼻」は仏教で説く八熱地獄の無間むけん地獄。現世で父母を殺すなど最悪の大罪を犯した者が落ちて、猛火に身を焼かれる地獄。「叫喚」は泣き叫ぶこと。一説に八熱地獄の一つの大叫喚地獄(釜かまゆでの地獄)の意。
Goo辞書

 
稲盛氏は著書「成功」と「失敗」の法則にこのように書かれています。


「利己から利他へ」現在の日本社会には、そのような利己を判断基準にした人が増えているのではないでしょうか。バブル経済を生み、崩壊させたのも、現在の混迷する社会をつくっているのも、利己にとらわれた日本人の心なのです。87ページ 


私には、日本社会は阿鼻叫喚の巷(町中)と化しており、その原因は経済人のエゴイズムであると語っていると受け取れます。 


日本がこれまで国際社会から「エコノミックアニマル」と揶揄され、信用されてこなかったのは、「自分が勝つためなら何でもあり」「他者への思いやりなど必要ない」「社会貢献は見せかけで良い」などのエゴイズムを容認する風潮がはびこっていることに起因すると私は考えます。 


稲盛氏の利己から利他への「思考転換のすすめ」は、キリスト教社会では誰もが共有する重要な教義の一つです。 



明治学院大学学長のメッセージを紹介します。キリスト教による人格教育という創設者ヘボン以来の建学の精神を継承し、明治学院大学の教育理念“Do for Others”(他者への貢献)の実現に努め、社会に貢献します 


ここまで、日本社会の現状認識について記してきましたが、ここで「なぜ、こんな地獄の社会になってしまったのか」について書きたいと思います。小沢一郎前代表は、著書「小沢主義 志を持て日本人」の中にこう書いています。


何かを選択するということは、何かを捨てるということでもある。117ページ 



仕事とは、単に金儲けのためにやるものではない。自分に与えられた仕事を通じ、周囲の人々を少しでも幸せにし、そして自分の属する社会を少しでもよくしていきたい、 そう願いつつ働くことこそが本当の生き甲斐にも通じる。だからこそ、あらゆる職業において志は必要だと思う。122ページ 


日本のマスコミは「民主主義の常識」が欠落している。91ページ



 
私は、日本社会を阿鼻叫喚の巷にした責任はマスコミにあると考えます。特に、自民党との大連立問題や西松問題などで小沢一郎前代表の政治的抹殺を企てた読売新聞が日本社会の「地獄化」に果たした役割は大きかったと判断しています。 


参考 小沢代表の抗議文全文

 
日本がエゴイズム国家に陥った理由は、少しだけ過去を振り返ってみれば分かります。「コンプライアンス(友愛遵守)」という言葉がなかった時代に、堂々と自らの「エゴイズム」を押し通した最大の事件は1978年の江川事件であると私は捉えています。


当時「エガワる(周囲をかえりみず強引に自分の意見を押し通すこと)」という造語が生みだされ、自分勝手なエゴイストを揶揄する言葉として使用されましたが、現在では、稲盛氏が語られるように「利己にとらわれた日本人」、つまり「エガワる」ことが当たり前の社会になってしまいました。そのきっかけが読売グループが引き起こした「江川事件」ですが、読売は事件後も全く反省せずに今日に至っています。 


ここでお断りしておきますが、私は江川卓氏を批判しているのではありません。「最後のパレード」事件や大連立騒動の経緯などから見て、私は、江川氏は読売により誘導されていたに違いないと考えています。アダムとイブの話の蛇のささやきのように、読売は「空白の一日を利用すれば憧れの巨人軍に入団できますよ」という悪魔のささやきに耳を傾けてしまったに違いない、私はそう考えるに至りました。 


私は、このような「読売的エゴイズム容認主義」が日本社会を地獄化したと考えており、繰り返しますが、現在の江川氏を批判する気持ちは毛頭ありません。今後、「エガワる」という当時の社会が生み出した言葉は使用しませんし、使う必要もありません。今後は「読売的エゴイズム容認主義」と言わせていただきます。 


小沢一郎前代表は、「何かを選択するということは、何かを捨てるということでもある。」と著書に書いています。私たち国民は、政権交代を選択しました。私たちは、これまでの「読売的エゴイズム容認主義」を捨て去り、これからは鳩山新政権が掲げる「友愛主義」を誰もが受け入れていく義務があります。(国民が選択した「権力」には服従しなくてはならないということです。) 


読売グループは、「読売的エゴイズム容認主義」により、これまでに犯してきた大罪を「悔い改め」、新政権が掲げる友愛主義を受け入れなければなりません。 


それでも受け入れないのなら、読売新聞は神と時の権力により裁かれることになるのです。