政治の世界は浮沈が激しい。昨日まで十数人の記者に囲まれていた政治家も、ポストを外れるとだれも寄りつかなくなる。内閣改造や党人事の度にそんな光景を目にしてきた。
政治家側もポストに就くと、急にえらそうになったり逆に愛想が良くなったり、対応が変わる人が珍しくない。品性を見たような気がして幻滅したこともある。
かつて知事選の取材で追いかけ回した民主党のある議員。のらりくらりで記者をけむに巻いてしまうタヌキオヤジだった。鳩山政権で要職に就いたが、同僚によれば相変わらずのタヌキぶりを発揮しているそうだ。記者泣かせでも、態度が一貫している点で感心してしまった。(坂口)
毎日新聞 2009年10月4日 地方版