(cache) 三重の養殖漁場に環境ホルモン 出荷自粛、全国調査へ - 47NEWS(よんななニュース)
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  • 三重の養殖漁場に環境ホルモン 出荷自粛、全国調査へ

     魚介類や人体に悪影響を及ぼす恐れがあり、国が使用を禁じている内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)で有機スズ化合物の一種トリブチルスズ(TBT)が、三重県尾鷲市のハマチ養殖漁場で防虫用に使われていたことが3日、分かった。地元漁協は9月30日から養殖魚ほぼすべての出荷を自粛。これまで健康被害は報告されていないが、水産庁は尾鷲での使用実態や全国でほかにも使われていないかどうかを調べる。

     TBTには養殖網に貝や海藻が付着しない効果があり、以前は「防汚剤」と呼ばれる網の塗料に含まれていたが、1990年に水産庁が使用を禁止にしている。

     尾鷲漁協によると、組合員の1人が昨年1月、かつて購入し自宅に残っていたTBT入り防汚剤1缶をおがくずに染み込ませて土のう袋に詰め、漁港沖のハマチ養殖いけすに入れていた。具体的な時期は不明だが、その後撤去したという。

     組合員は取材に「魚に(寄生)虫を付着させないために防汚剤を使った。有害だとは知っていた。昔から持っていて、処理に困っていた」と話した。漁協の組合長は「ほかの組合員が現在使っている防汚剤を検査機関に出し、安全性を確認中だ」と説明している。

     長年TBTの問題を調べている岐阜県の元獣医師、八竹昭夫さんは「有害物質は水俣病で猫が真っ先に発症したのと同様、人間より動物に先に影響が出る。ほかの漁場でも使っていないかどうか、国は徹底的に調べるべきだ」と話している。

     尾鷲は三重県有数の水揚げ量があり、年間約960トンの養殖タイや養殖ハマチを出荷している。

      【共同通信】