国連人権理、ガザ決議先送り 米が強く抵抗か【ジュネーブ共同】国連人権理事会は2日、3週間の会期を終えて閉幕し、昨年末から今年1月のイスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの攻撃が戦争犯罪に当たるとした調査団の報告書を支持する決議案の採択を、来年3月の次回会期に先送りすることを決めた。人権理が主要議題を先送りするのは異例。 外交筋によると、理事国になって初の会期となった米国が採択に強く抵抗。水面下で強力な外交攻勢を展開し、先送りが決まった模様だ。他の日程はほぼ予定通り消化した。 報告書は、イスラエルとパレスチナ武装勢力の双方の行為を「戦争犯罪に当たる」と指摘、法的な責任追及を強く求めた。決議案は同報告書を「歓迎」する内容で、イスラム諸国会議機構(OIC)各国などが共同で提出していた。 米国はコメントを避けているが、OIC加盟国筋は先送り理由について「米大統領に中東和平推進への時間を与えるためだ」と指摘。イスラエルを刺激する決議採択で和平努力に水を差さないようにする配慮があったとの見方を示した。 国際人権保護団体のヒューマン・ライツ・ウオッチは同日「米国はイスラエルに猶予を与えた」とし、今後、米国自体がイスラエルに責任追及を迫るべきだと主張した。 【共同通信】
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