日本航空の労使・経営問題が「モデル」とされる山崎豊子さんの小説「沈まぬ太陽」をもとにした同名の映画(角川映画)が完成し、1日夜、前原誠司国土交通相が鑑賞した。映画製作側が「空の安全を願う映画なので」と招待。試写後、前原国交相は「なかなか骨のある映画」と記者団に語ったが、「日航再建の参考になったか」など、今の問題に引きつけた質問には「いちいち結びつけてコメントするつもりはない」と話した。
渡辺謙さんが演じる主人公は、日航初のスト決行など労組委員長として経営陣に厳しく向き合い、その後、パキスタンのカラチやナイロビなど10年間の遠方地勤務を命じられた実在の元社員がモデルとされる。角川側は「映画は小説をもとにしたフィクション」としているが、日航側は「ジャンボ機墜落事故の場面もあり、快く思っていない遺族もいる。名誉棄損のおそれもある」と映画化に不快感を示していた。公開は24日から。