奈良市上深川町の八柱神社に伝わる神事芸能「題目立(だいもくたて)」が、ユネスコの無形文化遺産になった。喜びに沸く一方、地元では不安も感じているようだ。
小さな神社で、200人も入ればいっぱいになる。題目立保存会の徳谷寿明会長(70)は「神様に奉納する芸能で、人に見せることを想定していない」と話す。
入場規制した方が良いのでは。そう思ったが、地元の役員たちは「見に来てくださる人たちは歓迎する。規制はできるだけしたくない」と口をそろえる。見物人が入れなかった建物の開放も検討しているそうで、その懐の深さに感心する。もし見に行くつもりの方がいたら、「見させてもらう」という気持ちを忘れないでほしい。(花澤)
毎日新聞 2009年10月2日 地方版