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ドクターヘリ:3機態勢に 5日から道東、道北も12日 /北海道

 救急医療体制の崩壊に直面している道東、道北圏で今月からドクターヘリの運航が始まる。道内のドクターヘリは道央圏で05年4月に始まったが、4年かけてようやく3機態勢となる。【山田泰雄】

 ◇広域医療体制の充実に期待

 ドクターヘリは機内に医師を乗せて現場に到着し、患者を病院に搬送しながら医療行為にも当たる。釧路市が拠点の道東圏は釧路・根室管内の全域をカバーし、5日から運航。旭川市を中心にした道北圏では12日に就航し、上川、留萌管内、宗谷管内の一部などを担う。

 道東ではドクターヘリの就航を長年切望してきた。釧路市から約150キロ離れた根室管内羅臼町の場合、医療機関は町立国保診療所しかない。しかし、脳疾患や心筋梗塞(こうそく)などの重篤患者は手に負えず、救急車で約1時間半は要する同管内中標津町か、3時間近くかかる釧路に救急搬送する以外に選択肢がないのが現実。搬送途中で患者が亡くなるケースもあった。

 地元の要望を受け、今年度、国の救急医療対策事業として釧路市と旭川市にヘリ1機ずつの配置が実現。地元で運航調整委員会を設けて受け入れ準備を進めてきた。釧路市では市立釧路総合病院を運航事業の主体となる基地病院とし、格納庫などを備える釧路孝仁会記念病院を基幹連携病院に指定。管内28人の医師が1日交代でいずれかの病院に待機し、「要請から5分以内の出動」が可能な態勢を整える。当面は釧根のみが運航範囲だが、将来的には半径100キロ圏内の十勝・網走管内にも範囲を広げる。

 釧路市-根室管内羅臼町間では1日、シミュレーション運航が行われた。市立釧路総合病院屋上のヘリポートにヘリとパイロット、整備士が待機する中、午前9時に羅臼町から出動要請があったとの想定で、医師2人と看護師1人が駆け足で乗り込み、5分足らずで発進。羅臼町中心部の羅臼川河川敷に約40分で到着した。

 同病院は平均で1日1件程度の出動を見込み、「ヘリの運航で、広域医療体制の充実が図られるよう期待したい」と話している。

毎日新聞 2009年10月2日 地方版

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