県病院事業庁は1日の県議会予算決算常任委員会で、病院事業会計の08年度収支を公表した。県立4病院の経常損失は約10億7300万円で、5年連続の赤字。特別損失として計上した退職給与引当金を含む純損失は約13億4400万円で、累積赤字は約47億3600万円となった。
ただし県が民間譲渡を打ち出している一志病院(津市)では、初期治療を重点とする家庭医療に取り組み、常勤医師数や研修医・医学生の受け入れ数が目標値を達成、患者数も増加するなど、経営改善の兆しも見えている。
4病院は医師・看護師不足などから本来の診療機能が発揮できず志摩病院(志摩市)が約6億2100万円、総合医療センター(四日市市)が約4億3800万円、一志病院が約7300万円の赤字。こころの医療センター(津市)だけ約5800万円の黒字だった。
一志病院は常勤医が07年度より1人増えて5人となった。受け入れた研修医・医学生数も07年度比9人増の63人となり、目標の55人を超えた。
これに伴い、1日当たりの内科外来患者数は目標値(70人)を下回ったものの、07年度比4・8人増の58人となった。また訪問診療延べ患者数は同8・1%増の361人(目標値350人)、救急患者受け入れ件数も同32・3%増の754件(同600件)と増えた。【田中功一】
〔三重版〕
毎日新聞 2009年10月2日 地方版