民事再生法適用を1日に申請した防予汽船(柳井市)は、柳井市と松山市を結ぶ「オレンジライン」として親しまれてきた。会社側は「現時点で減便は考えていない」と強調するが、利用者からは不安の声が相次いだ。
記者会見で会社側は、6日に債権者説明会を開き、今後料金改定を含む再建計画を練ると説明。「再建計画に減便を盛り込むことは現時点では考えていない」と理解を求めたが、民主党政権はマニフェストで高速道無料化を掲げるなど会社を取り巻く環境は厳しい。
人影もまばらな柳井港の待合室。山口県周防大島町小松の無職浜崎義春さん(83)は「仮にフェリーが無くなったら、松山市にいる息子に会いに行くのが難しくなる」と不安を隠さない。船着き場からJR柳井港駅へ向かう松山市の大学3年鳥元大志さん(21)は、会社の経営悪化が運賃アップにつながることなどを懸念。「車を持ってない僕たちに高速道料金引き下げの恩恵はない。負担が増えないようにしてほしい」と注文した。
【写真説明】柳井港に着いた防予汽船のフェリーから降りる利用者たち。航路の今後への不安は大きい
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