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【社会】

最少の1人、来月来日 残留孤児『64歳』手掛かりを

2009年10月1日 朝刊

 厚生労働省は、新たに中国残留孤児と認定した女性一人の情報を公表した。肉親捜しのため十一月十七日から二十八日まで来日する。一九八一年に始まった訪日調査で一人は最少。戦後六十四年がたち新たな孤児が認定される背景について、同省は「高齢となった中国人養父母が、死期が近づき初めて本人に日本人だと告げるケースが多い」としている。

 厚労省によると、女性は曲美琴さんで推定六十四歳。昨年三月、寝たきりの養母楊維真さん(96)から日本人だと知らされた。

 楊さんは二十五年前に夫を亡くし、子どもは美琴さんだけ。「今まで黙っていてごめんなさい。あなたが日本に帰るのが不安だった」とわびたという。

 美琴さんは敗戦翌年の一九四六年春、生後約四カ月で、母親の知人女性を介し、新京市西三道街に住む楊さんに預けられた。当時、花柄の小さな布団にくるまれていた。

 右肩にほくろがあり、血液型はA型。身元に関する情報は、厚労省中国孤児等対策室=電03(3593)7890=へ。

 

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