岩国市議会は29日、米空母艦載機の移転反対派の市議たちが提案した「米軍再編の見直しに向けて地元と誠意ある話し合いを新政府に要望する決議」案を、賛成少数で否決した。反対したのは移転に容認姿勢を示してきた市議全員で「新政府の具体的対応が決まっておらず、時期尚早」などを理由に挙げた。
決議案は、3党連立の新政権が米軍再編や在日米軍基地の在り方について「見直しの方向で臨む」と合意したのを受けた内容。艦載機59機移転の現計画に対し「新たな基地機能強化を生むだけでなく、恒常的な夜間離着陸訓練(NLP)施設の呼び水にならないとも限らない」と反対姿勢を示し、再編見直しに向けた話し合いを求めている。
討論で、決議案に反対の市議は「普天間基地(沖縄県)移設ばかり取り上げられ、岩国基地を(政府は)どう考えているのか。見直し内容を吟味するべきだ」と主張。賛成の市議は「政府の考えが固まる前に市の考えを持って十分に話し合うことが大切だ」などと述べた。採決の結果、反対21、賛成12だった。
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