社会

県議会で原発質疑 祝島住民が傍聴
(山口県)
上関原子力発電所建設に向けた海の埋め立てを巡る中国電力と原発に反対する人たちとの対立について30日の県議会一般質問で質問が相次いだ。傍聴席には原発に反対する祝島の住民らが詰め掛け、去年埋め立て免許を出した県に抗議する場面も見られた。午前9時半、祝島の住民らを乗せた2台のバスが県庁に到着。県議会議場では一般質問で共産党の久米慶典議員、社民党の佐々木明美議員の2人が上関原発に対する県の考えを質した。県は去年10月、上関原発計画を進める中国電力に対し予定地沖の海=約14万平方メートルを埋め立てることを認めた。この免許を受けて中国電力は海の埋め立て工事に取り掛かろうとしているが祝島の住民ら反対派の人たちの抗議活動が続き今のところ解決の糸口は見えていない。事態が長期化する中、免許を出した県がどんな答弁をするのか、祝島の人たちが見つめる中、質疑が始まった。現状では、まずは中国電力に工事着手を中止するよう求めるべきではないかとの質問に対し、二井知事は『免許を出している立場の中で中止を求めることはできない。事業者として安全に埋め立てが進むよう努力してほしい』と答弁した。また答弁の中で、二井知事は中国電力に対しても『仮に原電立地を進めてやるんだという気持ちがあるとすればこのことについては変えていただきたい。させていただくという気持ちでやっていただきたい』と注文を付けた。しかし祝島の人たちは「県は事業者任せ、国任せで責任逃れ」と反発を強めている。祝島の住民をはじめ原発に反対する人たちは田名ふ頭での警戒も緩めず、来月2日に上京し、経済産業省に原発反対の署名を添えて申し入れをすることにしている。〆
[ 9/30 18:24 山口放送]