憂楽帳

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憂楽帳:アイム・ソーリー

 アメリカ人は「謝らない」と言われるが実際にはよく謝る。「訴訟社会」だけにビジネスの世界などで無謬(むびゅう)主義がはびこるが、日常生活で「謝らない」説は、あまりあてはまらない。

 米国の街頭や地下鉄で人前を横切ろうとすれば“Excuseme”(失礼)、肩が触れ合うだけで互いに申し訳なさそうに“I’m sorry”(すみません)と言い合う。こんな場面に一日に何度も出くわす。

 「謝ってはいけない」が定説の交通事故もそう。知人の日本人女性が車を運転中、後続車に軽く追突された。謝罪はおろか難癖をつけられないかと心配したが、相手の白人の中年男性は“Sorry”、拍子抜けしたという。「謝罪」は多民族国家アメリカの潤滑油にもなっていて、社会にうるおいを感じさせる。

 日本は「謝罪文化」と言われるが、果たしてそうか。街角で見知らぬ同士の「すみません」をあまり聞かない。4年余の米国生活から東京に戻って2カ月。あの“Excuse me”と“Sorry”が懐かしい。【及川正也】

毎日新聞 2009年10月1日 13時31分

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