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遺体引き取り拒否:中国籍男児 処置めぐり対立…名古屋

 名古屋大付属病院(名古屋市昭和区)で7月に胃の手術後に死亡した中国籍の男児(当時1歳)の遺族が遺体の引き取りを拒否していることが30日、分かった。同院が会見で明らかにした。病院の対応に不信感を持つ遺族が同院以外での病理解剖を求める一方、同院が「医療行為に問題はなく、他院での解剖は原則に反する」として断っているため。双方の弁護士が協議を始めた。

 会見した松尾清一病院長によると、男児は胃の内容物の逆流などによる肺炎が原因で肺高血圧症を発症。3月、同院へ入院した。同院は他院の医師の意見も踏まえ、胃の手術で嘔吐(おうと)などを防ぎ肺炎の原因を除くことを決定。7月13日に手術は成功したが、2日後に容体が急変して死亡した。同症発作の可能性が高い。

 遺族は手術リスクの説明が不十分だったことなどから院内での病理解剖を拒否し、他での解剖を求めた。名大病院が「医療事故などには当たらない」として断ったため、遺体は霊安室で保存されたままになっている。今でも毎日、母親が遺体と面会しているという。

 同院は9月7日、名古屋簡裁に、手術の説明が不十分だった点を認め和解金を支払う旨の調停を申し立てた。松尾院長は「2室しかない霊安室が長期間、ふさがっているのは極めて異常な事態だが、遺体の引き取りを強制できない。今後もお願いを続ける」と話している。【山田一晶】

毎日新聞 2009年9月30日 20時07分

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