県は、県内の市町村が運営する27自治体病院の08年度決算見込みをまとめた。資金不足額は170億1300万円で、前年度決算を3000万円下回ったが、7割近くが資金不足を計上。自治体の病院経営が依然として厳しいことが浮き彫りになった。
県市町村振興課によると、27病院の総収益は855億5600万円で、前年度比10億9000万円の減。うち外来収益が230億7300万円で、同16億8200万円減と激しく落ち込んだ。総収益から総費用を差し引いた純損益は30億5500万円の赤字で、約18億円減少。純利益を出したのは9病院だけだった。一方、不良債務額は114億3800万円で、8市町が不良債務を長期債務(償還期間7年以内)に振り替える公立病院特例債を活用したため、前年度より約56億円減少した。
資金不足額は05~07年度の大幅増から改善され、ほぼ横ばいだった。要因は、病院単体の経費節減努力のほか、市町村の一般会計からの繰り入れ支援が大きかった。病院に繰り入れた公費は前年度比約18億円増の約133億円で、同課は「病院を取り巻く情勢は依然として厳しい。一般会計からの支援を受けながら、病院が経営の効率化や再編ネットワーク化、経営形態の見直しをしていく必要がある」としている。【矢澤秀範】
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区分 総収益 総費用 純損益 不良債務額 不良債務比率 資金不足額
(A) (B) (A-B)
青森市民病院 10,406 10,418 ▼12 0 0.0 0
市立浪岡病院 1,448 1,559 ▼111 0 0.0 0
弘前市立病院 3,969 4,289 ▼320 254 7.3 322
八戸市立市民病院 13,656 13,846 ▼190 0 0.0 1,191
黒石病院 4,814 4,895 ▼81 572 12.6 1,000
西北中央病院 6,515 6,668 ▼153 337 5.4 0
十和田市立中央病院 6,099 7,474 ▼1,375 718 14.3 1,383
市立三沢病院 4,570 4,546 24 0 0.0 0
つがる市立成人病センター 1,803 1,837 ▼34 119 6.9 0
平内中央病院 1,238 1,315 ▼77 174 16.1 0
外ケ浜中央病院 1,102 1,081 22 0 0.0 0
鰺ケ沢町立中央病院 1,482 1,728 ▼246 221 15.5 349
町立大鰐病院 843 895 ▼52 140 18.9 172
板柳中央病院 855 951 ▼96 468 63.2 223
鶴田町立中央病院 1,324 1,422 ▼98 749 61.7 0
六戸町国保病院 535 524 11 0 0.0 0
おいらせ病院 971 929 42 0 0.0 0
三戸中央病院 1,650 1,777 ▼127 87 5.7 987
五戸総合病院 2,885 2,848 36 0 0.0 0
名川病院 1,005 946 59 0 0.0 0
公立七戸病院 1,806 2,124 ▼318 0 0.0 0
公立金木病院 1,535 1,868 ▼332 1,353 96.4 0
むつ総合病院
(各診療所含む) 10,844 10,094 790 4,073 45.3 0
川内病院 579 802 ▼223 1,561 281.7 0
大間病院 973 973 1 337 43.0 0
むつリハビリ
テーション病院 77 52 25 4 184,300.0 0
公立野辺地病院 2,531 2,751 ▼220 269 11.3 0
県合計 85,556 88,611 ▼3,055 11,438 14.9 5,627
毎日新聞 2009年9月30日 地方版