2009年9月30日11時41分
マグニチュード8.0の地震があったサモア=ロイター
米領サモアのファガトゴ村で29日、高台に避難する住民ら=AP
【ロサンゼルス=堀内隆、クアラルンプール=塚本和人】米地質調査所(USGS)によると、29日午前6時50分(日本時間30日午前2時50分)ごろ、南太平洋のサモア近海で強い地震があった。震源は同国の首都アピアの南約195キロの地点で、震源の深さは約18キロ。日本の気象庁によるとマグニチュードは8.3。AP通信が地元当局者などの話として伝えたところでは、地震と津波でサモアから約100キロ離れた米領サモアで少なくとも14人が死亡、サモアの死者と合わせて計34人が死亡した。
アピアにある病院の医師は、朝日新聞の電話取材に「200人を超える死者が出ているようだ。現場は混乱していて、正確な死傷者数はわからない」と答えた。米領サモアでも犠牲者数が増えるおそれがあるが、停電や通信回線の途絶で被害状況の把握が難しい状況が続いている。
太平洋津波警報センター(ハワイ)は一時、ニュージーランドやフィジーを含む南太平洋の広い範囲に津波警報を出した。同センターによると、米領サモアの中心都市パゴパゴでは地震の約40分後に1.57メートルの津波が、またハワイでも18センチの津波が観測された。
AP通信によると、パゴパゴにいた国立公園管理者はカリフォルニア州の国立公園局事務所に「4回にわたって高さ4.5〜6メートルの津波が襲い、内陸約1.6キロまで達した」と伝えてきた。住民の一人は米CNNに「あらゆるものが水をかぶり、泥だらけになった」と話した。ニュージーランドからの報道によると、サモアでは、震源に近い南岸で家や車が波にのまれ、海に流されていったという。
韓国外交通商省は30日、この地震で米領サモア在住の韓国人2人が死亡、1人が行方不明になったと明らかにした。米領サモアには234人の韓国人が住み、ほとんどが遠洋漁業従事者だという。