ホンジュラス・テグシガルパ(CNN) 米国務省は28日、ホンジュラスの暫定政権に対し、言論や集会の自由など憲法上の権利を制限した緊急法令の即刻解除を求めると表明した。
国務省のケリー報道官は同日夜の記者会見で「停止された権利に内在する自由は奪ってはならないものであり、制限・禁止されればホンジュラス国民の民主主義への希求が著しく損なわれる」との声明を読み上げた。
これに先立ちホンジュラスのミチェレッティ政権は同日、緊急法令はいずれ解除するが、直ちに解除することはないと発表。解除について最高裁と協議すると述べた。
緊急法令は、6月のクーデターで国外追放されたセラヤ大統領がひそかに帰国してブラジル大使館にとどまっていることを受けて27日夜に発令された。45日間の時限法として、許可なく集会を開くことなどを禁じ、令状なしの逮捕や、「平和と秩序を乱す」とみなした報道機関を政府が閉鎖させることを認めている。
米州機構(OAS)のインスルサ事務総長によると、同法令を受けてテレビ局とラジオ局が閉鎖された。閉鎖されたテレビ局の経営者によれば、28日朝に60人の兵士が乗り込んできて閉鎖させられ、機材はすべて持ち去られたという。
国連総会では28日夜、携帯電話を通じたセラヤ大統領の演説が中継され、同大統領は「人々が沈黙させられ、抑圧された人々も同様に沈黙させられているのは重大な犯罪だ」と訴えた。