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金づるにした揚げ句に殺害 37歳女性教諭を“食い物”にした男

9月27日21時8分配信 産経新聞

 兵庫県加西市で5月、同県加古川市立中学の元教諭、児玉京子さん=当時(37)=が遺体で見つかった事件で、県警加西署捜査本部は遺体発見から4カ月後の9月、交際相手だった同県稲美町加古の無職、平間洋臣被告(28)=死体遺棄罪で起訴=を殺人容疑で再逮捕した。交際相手を金づるにして、自身はパチスロなどギャンブル三昧の生活。学校の積立金を横領させるまで金を借り、揚げ句の果ては返済を免れるため首を絞めて殺害−。「明るく元気だった」という女性教諭を“食い物”にした卑劣な犯行が、捜査の進展とともに浮かび上がった。

 ■「事業失敗」と借金重ね

 捜査関係者や知人らによると、児玉さんは知人の紹介で平成19年5月ごろ、平間容疑者と出会い、交際を始めたという。

 平間容疑者は当時、土木会社を立ち上げていた。自宅近くにはパワーショベルなどの重機が並んでいたが、次第に経営が行き詰まり、多額の資金が必要となったという。

 そこで目をつけたのが、交際していた児玉さんだった。平間容疑者は「事業失敗の穴埋めのため」との理由で児玉さんから借金を重ねた。その額は次第に膨れあがり、捜査本部が裏付けを取っただけでも1200万円にのぼっている。

 ただ、借りた金の大半は、ポーカーやスロットなどの遊興費に充てた。高級車を乗り回す姿も度々目撃されており、当時を知る隣人も「どこにそんなお金があるのか謎だった」と感じていたというほど。

 児玉さんは再三にわたり、電話や直接会ったときに返済を迫っていたが、さらに金を求める平間容疑者。蓄えが底をつきた児玉さんはついには、中学校の生徒の積立金にまで手を伸ばしてしまった。

 ■女性教諭の“失踪”

 「加古川の中学校で数百万円管理の女性教諭、姿消す」

 昨年12月、新聞各紙が児玉さんの行方不明を報じた。

 《加古川市教育委員会などによると、女性教諭は修学旅行の積立金など550万円の管理を担当していたが、11月27日から無断欠勤。その後、学校が業者に積立金を支払おうとしたところ、7月から11月にかけて、口座の金がなくなっていたという。市教委は加古川署に告発。同署が業務上横領容疑で捜査を始めた》

 「新聞報道の数日後には、平間容疑者から事情聴取を行っていた」

 捜査関係者はこう打ち明ける。児玉さんは行方不明になる直前、同僚に「交際相手に会う」と伝えており、県警は平間容疑者から事情を聴いた。「平間容疑者は『児玉さんと会って、西明石駅まで送って別れた』と説明した。ただ矛盾点があり、平間容疑者の捜査も続けていた」

 ■生徒にも衝撃が

 児玉さんの行方不明から約半年が経過した5月13日、加西市内の休耕田で一部白骨化した女性の遺体が見つかり、事件は大きく動き始めた。

 遺体の喉の骨が折れており、県警は絞殺された疑いがあるとして捜査本部を立ち上げた。その後、遺体が児玉さんと判明した。

 「犯人は交際相手じゃないのか」という見方が広まったが、「物的証拠が極めて乏しい」(捜査幹部)中で、捜査は慎重に進められた。

 8月に入って、別の女性への傷害容疑で逮捕された平間容疑者が、児玉さんの死体遺棄を認めたため、捜査本部は死体遺棄容疑で逮捕。殺害についても認めたことから、殺人容疑で再逮捕した。

 11月27日早朝、自宅近くの倉庫で、児玉さんの首を絞めて窒息死させ殺害。遺体は知人の男2人とともに車で運び、加西市の休耕田に遺棄した。平間容疑者らは発覚を遅らせるため、衣服を同市内の作業所で焼却処分した。平間容疑者は「借金の返済を免れる目的で殺害した」などと供述しているという。

 今回の事件に、児玉さんの勤務していた加古川市立中学関係者のショックは大きい。同校によると、児玉さんは1年生の学級担任で、男子バレーボール部の顧問として指導にあたるなど活発な教諭だったという。

 「明るく元気な先生で、相談にもよくのってくれて皆からも人気だったのに」。生徒たちからも悲しみの声があふれた。

 平間容疑者は公判を前にした今も、反省のそぶりはなく、あいまいな供述を繰り返しているという。

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最終更新:9月27日21時8分

産経新聞

 

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