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混合診療訴訟:2審は原告逆転敗訴 東京高裁判決

 保険診療と保険外(自由)診療を併用する「混合診療」を受けると、保険診療分も含めて治療費全額が自己負担となる厚生労働省の制度運用が妥当かどうかが争われた訴訟の控訴審で、東京高裁は29日、厚労省の制度運用に法的根拠はないと判断した1審判決を取り消す国側逆転勝訴判決を言い渡した。原告側は厚労省の運用を違法として、国を相手に保険適用の確認を求めていたが、大谷禎男裁判長は請求を棄却した。

 提訴していたのは、神奈川県藤沢市の団体職員、清郷伸人(きよさと・のぶひと)さん(62)。腎臓がんで01年2月から保険適用されるインターフェロン療法を受けていたが、保険適用外の療法の併用は、国が原則禁止としている「混合診療」に当たるとして病院に拒まれた。このため、「保険料を納めているのに適用外の治療を加えただけで、適用分の自己負担も求められる制度はおかしい」と06年3月に提訴した。

 1審・東京地裁判決は07年11月、「保険適用できるかどうかは個別の診療行為ごとに判断すべきだ。自由診療を併用したからといって、本来保険が適用される診療分まで自己負担になるという法的な根拠は見いだせない」として、国側敗訴の判断をしていた。

 清郷さんは1審を本人訴訟で争って勝訴。控訴審では、無償で弁護団が付いていた。【伊藤一郎】

毎日新聞 2009年9月29日 15時09分(最終更新 9月29日 15時13分)

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