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福島孝徳記念病院:世界最高水準の脳治療 増床の段階的実現へ /千葉

 長柄町国府里で開院3年目を迎えた「塩田病院付属・福島孝徳記念病院」(北原功雄院長)が、病床を19床から102床へ増やす県の認可を受けて今年7月、名称を旧クリニックから変更した。診療科目はこれまでと同じ脳神経外科、リハビリテーション科だが、今月上旬に記者会見した同病院最高顧問の福島孝徳医師(66)は「世界最高水準の機器による脳ドックを備えた脳治療センターとして、全国や千葉県の地域医療に貢献できる」と意気込んでいる。【吉村建二】

 福島医師は「キーホール・オペレーション(鍵穴手術)」を考案した脳腫瘍(しゅよう)摘出手術の権威で、「ゴッドハンド(神の手)を持つ男」という異名をとる。米国デューク大(ノースカロライナ州)で脳外科教授を務め、米国にとどまらず全世界で1万例以上の執刀経験を誇る。日本には数カ月おきに訪れ、国内12の病院で年間約200例を執刀している。

 「鍵穴手術」は、耳の後ろに開けた数センチの小さな穴から、顕微鏡を使って的確に腫瘍を切除、縫合する独特の方法で、患者への負担が軽く、回復も早いという。

 長柄町の福島孝徳記念病院は、福島医師の意向を全面的に反映して作られ、北原院長は「一番弟子」という。施設は、ヘリポート付きの地上6階建てで、手術室は通常より広くしている。一刻を争う脳疾患患者に対応するため、処置室や検査室を最短距離で移動できる配置にしている。機器は県内初導入の定位置放射線治療システム「サイバーナイフ2」をはじめ、超高性能のMRI、CTスキャンを備えている。

 同病院は「手術は最後の手段」という考えから、早期発見につながる脳や頸椎(けいつい)、腰椎(ようつい)の検査を勧めている。「福島人気」で全国から問い合わせが多く、海外からも患者を受け入れる。

 病院化と増床について、福島医師は今月上旬地元で会見を開き、「超高度先進医療センターとしての体制が整った。この病院が、日本での私の医療活動の中心になる。これからも最高の人材と高性能の機械を駆使して、日本一、世界一の医療センターにしていきたい」と抱負を語った。

 同病院の昨年度の脳腫瘍などの手術実績は、海外からの患者も含め計455件。福島医師は「他の病院ではできない難しいものばかりで、19床の医療施設では日本一だ」と胸を張る。102床への増床については、医師・看護師不足や施設改修などから、来年秋までに段階的に実現していく考えだ。

 同病院は、長生郡市7市町村内の毎月5日間の2次救急輪番制でも、担当の一翼を担っている。

 問い合わせなどは同病院(電話0475・35・0099)。

毎日新聞 2009年9月29日 東京朝刊

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