7月末に退任した藤原昭・前奈良市長の退任式では多くの市職員が涙を流していた。利害対立がありながら、その手腕に一定の評価を与える市議もいた。トップに立ち改革を進める人物には、良い政策だけでなく、人間性も必要だと感じた。
仲川げん市長が市議会の議場でガムをかんだことを報じた。取るに足りないことかもしれない。しかし、利害が相反する人を説き伏せ、改革を進めようとするならば、人の心を動かす何かが必要だ。その時、脇の甘さは命取りになる。
多くの市民と同じく、私も個人的には若い市長の改革手腕に期待している。がっかりな結果に終わらぬよう、周囲の意見に耳を傾けてほしい。(泉谷)
毎日新聞 2009年9月20日 地方版