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長井健司さん凶弾に倒れてきょう丸2年
2009年09月27日
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APF通信社提供 |
今治市出身のジャーナリスト長井健司さん(当時50)がミャンマー(ビルマ)で反政府デモを取材中に射殺された事件から27日で丸2年。凶弾に倒れた長井さんが最期まで手放さなかったビデオカメラとテープは、いまだにミャンマーの軍事政権から返還されていない。恩師や同級生らは悔しさと憤りを語り、長井さんの両親は三回忌を迎えた心境を便箋(びん・せん)につづった。(寺門充)
長井さんの父秀夫さん(84)と母道子さん(77)は、便箋1枚に連名で所感をつづり、公表した。
「三回忌がきました。つらい思いをした日をふり返るまいと前を向いて日々を暮してきましたが、やはり九月二十七日を前にするとあの日のことが思い出され、何とも云(い)えないものがあります。しかし元気を出して生きてゆきます。家族だけで静かに三回忌を迎え、祈ります」
長井さんが卒業した今治市立美須賀中学校で、長井さんの担任だった元社会科教諭、山本満洲男さん(76)=同市=は命日の27日、市内にある長井さんの墓参りをするつもりだ。
山本さんは「ミャンマー政府からはカメラなどの遺品が返されていないばかりか、謝罪すらなされていない。教え子の命が奪われたのに、事件の処理が中途半端で終わっていることが残念でならない」と憤る。その上で政権交代した日本政府の今後の対応に注目している。「ミャンマーの軍事政権に毅然(き・ぜん)とした態度で接してほしい。日本の外交姿勢が変わることに期待をつないでいる」と話した。
長井さんの友人らでつくる「ミャンマー軍による長井さん殺害に抗議する会」(東京)が、カメラとテープの返還をミャンマー政府に求めるため、全国で集めた署名は目標の10万人を超え、約13万人に上った。長井さんの中学時代の同級生、井出範子さん(52)=同市=は、東京都内で27日に開かれる長井さんをしのぶ会に出席するため上京した。「署名は10万人を達成したのに、状況は何も変わっていない。事件に対する国内での関心が薄れてきていることが心配。今は遺品が返ってくることを祈るばかりです」
ミャンマーの軍事政権は07年9月、僧侶や市民らによる反政府デモを武力で弾圧。取材中の長井さんをはじめ、多数の死傷者が出た。そして今もなお、軍政は反政府の動きを警戒し、活動家の僧侶らを拘束している。
松山市石手2丁目の四国霊場51番札所石手寺(加藤俊生住職)では27日午後4時から同寺大講堂で、長井さんとミャンマーの僧侶を追悼する行事を開き、暴力のない世界平和を祈願する。
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