(CNN) 今年6月の軍主導のクーデターで国外追放され、21日に強行帰国した中米ホンジュラスのセラヤ大統領は25日、支持者らとともに現在滞在している首都テグシガルパのブラジル大使館が25日午前に「神経毒性」ガスで攻撃され、大勢の人々が鼻血や呼吸困難を訴えたと述べた。
セラヤ氏は記者会見で、専門家が大使館付近の空気を分析したところ、致死性のあるシアン化水素が検出されたと語った。セラヤ氏自身ものどや目に刺激を感じ、外の空気を吸うため表に出たところ、大勢の人々が気分が悪くなっていることに気付いたとしている。
また、セラヤ氏とともに大使館に滞在している聖職者は、ガスが近隣の家屋と大使館そばに駐車していた白いトラック、低空飛行していたヘリコプターからまかれたと述べ、「これはテロ行為だ」と非難した。
ブラジル外務省関係者は匿名でCNNに対し、大使館一帯に何らかのガスがまかれたことを認めたものの、神経毒性かは確認されていないと述べた。一方、ホンジュラスのミチェレッティ暫定大統領は、暫定政権によるガス攻撃を否定。警察幹部も、セラヤ氏の発言は「全くのうそ」だと述べた。
大使館付近で取材にあたっている記者団は、ガス攻撃が行われたか確認していない。