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ダム中止補償に新法、年明け国会提出 国交相が表明(1/2ページ)

2009年9月27日3時3分

写真:地元住民(右)の意見を聴く前原国交相=26日午後2時、熊本県五木村、恒成利幸撮影地元住民(右)の意見を聴く前原国交相=26日午後2時、熊本県五木村、恒成利幸撮影

 前原誠司国土交通相は26日、ダム計画を中止しても水没予定地の生活再建を国の財政支援で継続することを明確にする補償法案を、年明けの通常国会にも提出する考えを表明した。現行では計画中止の場合、移転を余儀なくされた地域に国の財源で補償を進める根拠法がなく、公共事業から国が撤退する際のルールを法律で定めるのが狙い。

 当面は八ツ場(やんば)ダム(群馬県)と川辺川ダム(熊本県)で適用し、将来的には公共事業全体での適用を目指す考えとみられる。

 前原国交相は同日、川辺川ダムの予定地を視察。水没予定地で約500世帯のほぼすべてが移転した熊本県五木村の住民や同県の蒲島郁夫知事、球磨川・川辺川流域の12市町村長らと意見交換した。

 前原国交相は「補償を裏付ける立法は、特別立法ではなく、普通の立法としてやらせていただきたい」と述べ、ダムだけではなく公共事業全体に対象を広げることを示唆。その後の会見では、現状の公共事業は一度始まるとやめるという前提がなく、中止した場合の補償措置や補償を裏付ける財源措置がないと指摘。こうした措置を定める法案をイメージしているとし、「次の通常国会に提出したい。それがなければ(八ツ場ダムも川辺川ダムも)止めることはできない」と語った。

 民主党はダム事業を廃止した場合の特別措置法の骨子案をすでに示している。水没予定地を国が特定地域に指定して、国、都道府県、自治体、地域住民らで振興協議会をつくり、施設や道路整備などの振興計画を策定するとの内容だ。振興計画に国が交付金を出す仕組みで、前原国交相はこうした考え方をベースに、ダムに限らず公共事業を国が中止、撤退する場合に備えた法案の検討を進めるとみられる。

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