工場存続訴え、非正規社員が労組　バンドー化学　

　産業用ベルト製造のバンドー化学（神戸市中央区）が、年内をめどに神戸工場（同市兵庫区）での生産を中止する方針を固めたのを受け、同工場に勤める非正規社員１１人が１１日までに労働組合を結成した。組合は、署名や団体交渉を通して工場存続と非正規社員の正社員化を訴えていく。

　神戸工場は、コピー機やプリンターなど事務用機器に使われる部品を製造している。急激な需要の落ち込みで収益が悪化し、栃木県足利市の足利工場に生産を集約してコスト削減を図る方針。

　会社側はこれまでに、神戸工場の従業員約８０人に、生産中止と足利工場への配転を伝えた。組合によると、ほとんどの従業員が配転に難色を示しているという。

　非正規社員の中には１０年近く勤めている人もいるといい、組合に加盟した男性（４４）は「これまで精いっぱい勤めてきたが、転勤か退職か究極の選択を迫られている。神戸工場への思いは強く、存続を訴えたい」と話している。（小西博美）

(6/12 10:07)