養父市の公立八鹿病院と市消防本部は25日、05年9月から実施してきた救急現場への医師出動の実績を発表した。医師の応急治療で患者が心肺停止を免れるなど、救命率アップに貢献していることが分かった。【吉川昭夫】
黒田達実医師と坂本龍二・警防課長補佐ら救急救命士15人。平日の午前8時半~午後5時15分、事故などで救急の出動要請があった場合、消防本部が医師を派遣するかどうか判断し、消防本部の車両で医師を現場に運ぶ。
4年間で44回、医師が出動し、うち17回は現場の応急治療で心肺停止を回避できた。今年8月には、山中でハチに刺され、アレルギー反応を起こした男性が薬剤投与を受けて助かったという。
市域が広く、救急車の現場到着時間は平均約10分、病院到着時間も平均約36分かかるため、救命率の向上を狙って県内で初めて実施した。黒田医師は「さらに訓練を積み、実績を上げたい」と話している。
〔但馬版〕
毎日新聞 2009年9月26日 地方版