2004年3月5日(金)放送
タフィ・ローズ プロ野球(読売ジャイアンツ)

V奪還を目指すジャイアンツの強力助っ人、タフィ・ローズ。 2001年、王貞治のシーズン最多記録に並ぶ、55ホーマーをマーク。球史に名を刻んだ。日本で8シーズンを過ごし、ホームラン王3回、打点王2回、通算ホームラン数288本は外国人選手歴代最多である。慣れ親しんだ日本で9回目のシーズンを迎えるタフィ・ローズ。36歳にして移籍を決意したその真相とは?


『面白い外国人プレーヤー、日本のプロ野球を心から愛してくれる人。それが、ローズ選手に対する私の印象です。そのローズ選手がホームランをたくさん打てる理由。8年間いた近鉄を離れ、新天地にジャイアンツを選んだ理由を私は聞いてみたいと思いました。 』

マジ顔ナビゲーター:荻原 健司 


巨人の最強助っ人 
タフィローズ


新チームに来て  

−新しいチーム、ジャイアンツに変わって、今の心境を聞かせてください−

ここまで順調そのものだよ。キャンプに参加してから、すごく体の調子もいいし、新しいチームメイトともすぐに仲良くなれたよ。今は非常にリラックスしている。

−ジャイアンツに来た理由は−

ジャイアンツでプレーするということはメジャーリーグだとヤンキースでプレーするということなんだよ。これからの野球人生で、僕が日本シリーズでチャンピオンになる可能性が一番高いのはやはりジャイアンツなんだ。もし日本一になることができたらそれは僕の長年の夢が叶うことになる。テレビで全試合中継されているジャイアンツを見て、羨ましく思う反面、大変な中でよくやっていると尊敬の念も感じている。僕の野球人生の中でジャイアンツの一員になれたということは、日本一になる夢が一歩近づいたということなんだ。

メジャーリーグについて

ケン・グリフィー・ジュニアとは小さい頃からずっと一緒にプレーしていたんだよ。それにお母さん同士が古くからの友人で、家族同士のつき合いもあった。彼のお父さんはすごい選手だったからとても尊敬していた。親子2代メジャーで活躍できるなんてすごいことだよ。 僕がアメリカで野球をしていた時は、メジャーに定着する事ができなくて、マイナーとメジャーを行ったり来たり。もっと落ち着いて野球をしたかったんだ。それで日本に行こうと決めた。周りの人は、日本に行って1、2年プレーしたらメジャーに戻りたいっていうけど、僕の考え方は違ったんだ。できるだけ日本で長くプレーをしたいと思っていた。どこでやろうが関係ない。僕はとにかく毎日野球がしたいんだよ。

母への思い

小さい時、母は「自分を信じなさい」と言って、僕をよく励ましてくれました。周りの人になんといわれようとも。決して恥ずかしがることはない。自分は「できるんだ」ということを常に信じて、ベストをつくしなさいと。必ず成功するとは限らないけど、諦めず、自分を信じて110%の努力をしなさいといわれて僕は育ってきた。 僕が野球でうまくいってないとき、必ず母は前向きな言葉で僕を正しい方向に導いてくれる。彼女は常に真実を語ってくれるんだ。彼女は僕の母親であると同時に、友達でもあるんだよ。 彼女は本当に強い。 僕のニックネームはタフィなのは、もちろん僕がタフなプレーヤーなのもあるんだけど、母親の影響も大きい。僕は兄弟6人いるんだけど、彼女は子供全員を学校に通わせて、色んなトラブルから守りながら、僕ら6人を育ててくれたんだ。 しかも仕事をしながらだよ。本当にすごい人だと思う。彼女はタフであり、そして同時に愛情にあふれた人間なんだ。アメリカでは、こういう人のことを「タフ&ラブ」というんだけど。

ホームランとは  


自分では決してホームランバッターだと思っていないんだ。本来、僕は左中間に強いライナーを打って2塁打を狙っていくバッターなんだよ。だけど、日本に来て個人トレーナーをつけてウエイトトレーニングをやるようにしてから、飛距離が自然と伸びたんだ。そうしたら99年にはホームランを40本も打つことができたんだよ。球状に足を運ぶファンのみんなが、僕にホームランを期待しているのはすごく分かるんですが、僕のバッティングスタイルは、あくまでボールを強く叩いてライナーを打つこと。


ホームランを打つのは大変なことなんだよ。僕は、ボールをバットで強く叩いてライナーを打つというバッティングスタイルが結果としてホームランに繋がればいいと思っている。もし僕がボールを強く叩くことができなくなったら、それは球場から去るときなのかもしれない。




チャンピオンになるために  

王貞治さんはホームランの記録も持つのと同時に、日本シリーズでも勝っているんだよ。そういう選手こそ、本当にいい選手だと思う。例え個人的な目標を達成し、タイトルを獲ったとしても、僕にとっては日本シリーズで勝たないと全く無意味なことです。 選手が試合に出る理由はただ一つ、勝つため。僕は負けることは大嫌いなんだ。野球のユニフォームを着て試合をする以上は、どうしても勝たないといけない。王さんは何度も日本一になることによって、更に素晴らしい選手になったんだと思うよ。だから僕も日本シリーズに勝って、いつか王さんのような素晴らしい選手になりたいと思っている。


近鉄時代に日本シリーズで優勝できなかったのは非常にくやしかった。 僕は今36歳、あと何年、選手生活を続けられるかはわからない。だからこそ優勝に一番近いジャイアンツで日本一になるという僕の夢を実現したいと思っているんだ、僕はとにかく最高のプレーをみせて、できる限り勝ちに貢献していきたいと思っている。

『お母さんの生きる姿を見て育ち、お母さんのアドバイスを今も大切に守っているローズ選手。母親の偉大さを改めて、感じました。今シーズンからは今までにないプレッシャーを味わうかもしれませんが、持ち前の明るさでプレッシャーを吹き飛ばし、日本一という夢を叶えて下さい。 』

マジ顔ナビゲーター:荻原 健司