厚生労働省は24日、来春に大学医学部を卒業する新人医師の臨床研修について、都道府県別の募集定員を発表した。04年度の現行制度開始以来、東京や大阪など大都市部の6都府県で全体の4割以上を占めていたが、地方の大学病院などの医師不足に配慮して見直した結果、それ以外の41道県の定員が、初めて全体の6割を超えた。医学部生の希望と照らし合わせた採用結果は、10月末に公表される。
臨床研修ではこれまで、病院別の定員はあるものの都道府県別の上限はなく、大都市の一般病院に希望が集中して地方の医師不足を助長しているとの指摘も出た。このため厚労省は、人口や医学部生数に応じて都道府県別の募集枠を設定。管内各病院の定員の合計が枠を超えた場合は、各病院に同じ割合で定員の削減を求めることにした。
今回の募集では激変緩和措置として、各病院の募集が前年採用実績を下回らないよう調整。大阪、愛知、神奈川など7道府県で50人以上減った一方で、埼玉、石川、鹿児島など19県では増加した。過去6年は東京と神奈川、愛知、京都、大阪、福岡の6都府県で定員の4割以上を占めていたが、今回は39.7%に下がった。
全体の募集定員は前年より749人少ない1万699人。病院の種別では、大学病院の割合が43%から44%に微増し、制度導入以降続いていた下落に歯止めがかかった。
ただし、激変緩和措置などにより、来年度分の募集定員は卒業生(約8600人)より約2割多いため、大都市集中の傾向が変わらない可能性もある。【清水健二】
カッコ内は前年度定員からの増減。▼は減少
北海道 427( ▼67)
青 森 129( 12)
岩 手 118( 4)
宮 城 158( ▼35)
秋 田 125( ▼7)
山 形 124( 12)
福 島 146( 0)
茨 城 180( 3)
栃 木 188( 12)
群 馬 122( ▼21)
埼 玉 421( 79)
千 葉 373( ▼29)
東 京 1511( ▼33)
神奈川 671( ▼81)
新 潟 182( 28)
富 山 105( 2)
石 川 168( 35)
福 井 100( 17)
山 梨 109( 18)
長 野 152( ▼54)
岐 阜 140( ▼32)
静 岡 237( ▼39)
愛 知 583(▼116)
三 重 130( ▼26)
滋 賀 103( ▼7)
京 都 291( ▼58)
大 阪 682(▼130)
兵 庫 386( ▼33)
奈 良 99( ▼31)
和歌山 98( ▼8)
鳥 取 70( 2)
島 根 102( 5)
岡 山 201( ▼29)
広 島 186( ▼42)
山 口 114( ▼18)
徳 島 93( 9)
香 川 101( 3)
愛 媛 115( ▼12)
高 知 93( 10)
福 岡 508( ▼69)
佐 賀 82( 3)
長 崎 143( ▼8)
熊 本 123( ▼32)
大 分 109( ▼4)
宮 崎 78( 6)
鹿児島 165( 30)
沖 縄 158( ▼18)
………………………………………
全 国 10699(▼749)
毎日新聞 2009年9月24日 21時35分(最終更新 9月24日 22時06分)