2009年09月24日

八ッ場ダムの「友愛代替案」を示します

「羊が泥穴に落ちたら、出してもらおうと鳴く。豚が泥穴に落ちたら、泥の中で転げまわるだけだ。」

チャールズ・アレン

 

私も、泥穴に突き落された時、まるで豚のようにもがき、転げまわっていました。今は神に救われ、クリスチャンとして、新しい人生を歩みはじめました。

 

さて、八ッ場ダム建設中止問題がヒートアップしています。マスコミは連日、建設中止に抗議する地域住民の意見を大々的に取り上げています。「今さら止められたら困る」という声です。

 

この問題は、政権公約(マニフェスト)に掲げられた全国民との「公約」であり、地域住民の感情の問題に左右されてはなりません。政府は正々堂々と中止に向けて進んでいくべきです。

 

しかしながら、住民の今後の生活に対して無神経であってはなりません。「無神経である」とは「思いやる」の反語ですが、地域の住民だけでなく、地域社会のこれまでとこれからを、思いやり鳩山政権が目指す、友愛社会を八ッ場地域でも実現させていかなければならないと思います。

 

テレビで見る限り、私には地域住民はマスコミや背後にいる「使用済み政治家」により転げまわされていると感じます。意見交換会に出席しないなど子供じみています。交渉のテーブルにつかない北朝鮮と同じであり、あまりにも稚拙な行動と言わざるを得ません。

友愛社会を具現化するために、共に知恵を出し合うことが大切です。それが、民主党が言う共生社会なのです。

 

日本は、小泉政権に象徴されるように、○(まる)か×(ばつ)かの「対立を前提とした二項選択」が当たり前になってしまいました。人は自分の頭では考えず、マスコミや政治家の言いなりに動くように、思考停止状態の家畜のように洗脳されてしまいました。

 

この八ッ場ダム問題も同じです。中止か続行かの対立の中で、どちらかを選べと迫っているかのようです。

 

漫画家のやくみつる氏は、今朝のテレビ番組で「代替案を考えるべき」という趣旨の発言をされていました。私も以前から、代替案が必要不可欠と考えてきました。

 

ここで民主党のシンボルマークを思い起こして下さい。二つの赤い円の一部が重なっています。片方の赤い円を「中止の考え方」、他方の赤い円を「続行の考え方」と考えると今後の進むべき道が見えてきます。それは「魅力ある第三案」を創造する考え方であり、二つの赤い円が重なっている白い部分を共有するという、魅力的な代替案を共に創造するという考え方なのです。

 

円が重なった部分を、鳩山総理がよく使う「WIN―WIN(両者にメリットがある魅力的な第三案を創り出す)」と考えると分かりやすいでしょう。

 

これまでの日本社会は、「やられる前にやっちまえ(冬の兵士より)」という、イラクの戦場のような社会でしたが、これからは違います。私たち日本国民はこれまでの弱肉強食の競争社会を否定し、人々が共生のために恵みを「分かち合う」ことを土台にした友愛社会への転換を選択したのです。

(鳩山幸夫人はニューヨークの日本人学校で「うれしいことも悲しいことも、共に分かち合うのが友愛の精神なのです」と語っています。24日の東京新聞より)

 

八ッ場ダム問題は、この友愛精神に則し、地域住民と全国民、また、日本国民と地球市民が恵みを分かち合う場所に創り上げていくという姿勢であれば必ずうまくいく、私はそう信じて疑いません。

 

前置きが長くなりました。私の代替案を示します。それは「八ッ場バイオマス・ニューディール(仮称)」のバイオマス開発・貯蔵現場にすることです。

広大な「水ガメ」のための敷地に、膨大なバイオマスや、大震災や災害に備えた政府備蓄材(海外支援物資含む)を集積させた「バイオマス貯蔵ダム」として進化させるのです。

 

周辺に限らず、多くの自治体では間伐作業などの「雇用」を生み出します。(土建業者が携わると効果的です)

高速道路の無料化により、地方から八ッ場ダムへ、八ッ場ダムから東京などの都会へバイオマスを運ぶ輸送会社も活性化するに違いありません。厄介ものの「エチゼンクラゲ」も生物資源と考えれば、活用の道も開けてくるかもしれません。

 

そして、です。鳩山総理は国連演説で「温室ガスの25%削減」を表明し、国際社会から高い評価を得ました。

この目標を達成するためにも、八ッ場ダムを一丁目一番地の「中心点」とし、再生可能なエネルギーだけを使った循環型の地域の「円」の拡大を図っていくべきです。

 

日本のバイオマスに関する技術は世界一です。豊富なバイオマスの原料により、関連企業も集まってくると考えられますし、政府はそのような企業を積極的に支援していくべきなのです。

<参考>バイオマス日本 http://www.maff.go.jp/j/biomass/

 

また、ハード面の充実だけではなく、住民の循環型の生活を支援する政策も必要です。さらに、イギリスの環境テーマパーク、CATのような施設を創造することにより、地域には世界中から見学者が集まり、地域社会に多大な富をもたらすに違いありません。

 

人にやさしい、地球にやさしいこの八ッ場ダム地域活性化策は、鳩山ニューディールのシンボルとして世界中から注目されるだけでなく、「実験的未来都市構想」への挑戦として高い評価を得ることでしょう。

そして、日本国内や海外でも同様な構想が実際に動き出していくでしょう。(八ッ場ダムだけではなく、日本の多くのダムがバイオマスの生産、備蓄基地化することを望みます。)

 

私は冒頭でクリスチャン(プロテスタントとして洗礼を授かりました)であると書きました。私は、オバマ大統領やクリントン国務長官と同様に「神の手足としてはたらく」一人として、地球温暖化防止対策には積極的に携わっていくつもりです。

 

そして、この八ッ場ダム問題の代替案を、民主党に限らず、循環型社会の構築を目指す政治家や識者、さらに「うれしいことも悲しいことも、共に分かち合う」世界中のクリスチャンに伝え、協力を得ていきたいと考えています。



 

最後になりますが、クリスチャンであるクリントン国務長官が2月に来日され、東京大学で話された内容を紹介します。
ヘンリー・フォードは「私は、他人のアイデアや発明を使って、何か新しいものを創ってきたにすぎない。」という言葉を残しています。ディズニーも同じですが、新しいアイデアに果敢にトライすることが大切なのです。

 

<引用開始>私が望んでいるのは、日本政府と日本国民がこの経済危機を乗り越えるための対策をじっくり考えて、新しいアイデアがたくさん生まれることです。米国ではそのために今、努力しています。クリーンなエネルギーに関しては、日本に後れを取っています。 

オバマ大統領は景気対策法案で、エネルギー効率、よりクリーンな燃料で走る自動車や燃費の向上など、日本が米国に勝っているすべての分野で、私たちが多額の資金を使って一層の努力をするよう求めています。そうなると、日本の皆さんには別の分野で米国の先を行ってもらわなければなりません。

<引用終了>

 

クリントン国務長官はアフガニスタンにおける日本の国際貢献についても述べられています。環境問題とともに、日本が目指すべき友愛外交の姿が見えてきます。

 

<引用開始>

 もうひとつ、大統領も言及していたことに触れておきたいと思います。過激主義者が存在する環境では、多くの場合、彼らの目的のひとつは、女性から教育の機会を奪い、彼らの社会で男女平等を実現しないことです。それが過激主義者の重要な方針のひとつなのです。そのため、私個人にとって、過激主義者との思想の戦いに勝つための闘争は、少女や女性の人間としての尊厳を認めることと大いに関係しているのです。ですから、その主張を行って、ほかの人々、特に他のイスラム教徒の人たちにも声を上げてもらい、一緒に同じ主張ができる機会を提供したいのです。 

 世界中には、ただ生き残るだけで精一杯の人々がいること、また日本政府と日本の人々がアフガニスタンに建てた学校のことを考えてみてください。今日、私が見た統計によると、日本の皆さんは、アフガニスタンの子供たちのために500校もの学校を建てています。そしてそのうちの多くが女子のための学校です。

<引用終了>