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新型インフル:年長児にも脳症発生 日本小児科学会で報告

 東京都内で23日に開かれた日本小児科学会の新型インフルエンザ緊急フォーラムで、季節性に比べ年齢の高い小児の脳症が多く発生していることが報告された。同学会は学会内に対策室を設け、重症例の把握に乗り出す。

 同学会によると、季節性インフルエンザの場合、脳症は2~4歳に多い。しかし、23日までに判明した新型インフルエンザでは、小児の脳症20例のうち、患者が最も多いのは7歳で、10歳以上も約4分の1を占めた。脳症患者の約2割に、ぜんそくの持病があった。

 14例あった重症肺炎(ARDS)では、5例でぜんそくの持病があった。都内の病院は、季節性では少ない呼吸障害の入院患者が、新型では8割以上を占めたと報告した。

 全国で最も早く流行した沖縄県の県立南部医療センター・こども医療センター(南風原町)は、ピーク時の1週間に5人の小児が肺炎や脳症の疑い、心筋炎などで相次いで入院。小児用集中治療室が満員になり、手術の延期などで対応したことを報告した。うち8歳以上が3人で、年長児が多い傾向という。同センターの中矢代真美医長は「流行が始まる前に、各地域で重症の子供をどれだけ治療できるか確認し、体制を整えてほしい」と話した。

 同学会は会員の小児科医に対し、肺炎や脳症、心筋炎などの重症例や、治療過程を報告するよう要請しており、重症例の治療ガイドラインを近く公表する方針だ。【江口一】

 【ことば】▽インフルエンザ脳症▽ 急な高熱の後、突然けいれんが続いたり、意味不明の言動や意識障害を起こす。体内のウイルスへの免疫反応が激しすぎて脳が腫れたり、血管や臓器が傷ついて発症するとみられている。

毎日新聞 2009年9月23日 21時23分

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