今度はカヤックが台船阻止、上関原発 作業中止続く
船上からシーカヤックの列に進路を開けるよう呼びかける中電社員
上関町で原子力発電所建設計画を進める中国電力(広島市)は、22日も平生町の岸壁から灯浮標(ブイ)の搬出作業を試みた。前日まで続いた上関町祝島の漁業者らによる大規模な阻止行動はなかったが、建設反対を主張するグループがシーカヤックで阻むなどしたため、作業は中止された。休日を挟んで10日連続の中止となったが、中電は23日も作業を実施する方向で調整する。
中電は22日午前7時半頃、工事区域を示すブイを積み込むため、平生町の岸壁にクレーン台船を近づけた。10日から台船の接岸を阻んできた祝島の漁船の姿はなかったが、県内外のシーカヤック愛好者によるグループが、約10艇で列を作って台船の進入を阻止した。
中電は移動を何度も呼びかけ、海保の巡視船も台船の進入路を開けるよう告げたが、正午前からは祝島の漁船約5隻も岸壁付近に姿を見せた。中電は午後3時に作業の中止を決めた。
シーカヤックの男性(52)は「祝島の人たちの気持ちを多くの人に知ってもらおうと行動している」と話した。「上関原発を建てさせない祝島島民の会」の山戸貞夫代表は「島民以外の行動は、(反対)運動が広がっている証し」と語ったが、23日以降の漁船による阻止行動については言及しなかった。
(2009年9月23日 読売新聞)