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【政治】機密費透明化どこへ 民主、政権交代で姿勢一転2009年9月22日 朝刊 首相や官房長官の判断で自由に使えるカネとされる官房機密費(内閣官房報償費)。民主党は野党時代、機密費の不正流用を厳しく批判してきた姿勢を一転し、政権発足後は透明化に消極的な姿勢が目立っている。 (後藤孝好) 平野博文官房長官は就任翌日の17日の記者会見で、官房機密費について問われると、「そんなのあるんですか。承知しておりませんから、コメントはできません」と、しらを切った。存在した場合にどう対応するのかと再質問されても「たらればの話はできない」と取り合わなかった。 官房機密費は「国の事務、事業を円滑かつ効果的に遂行するため、機動的に使用する経費」とされる。 例年、予算計上されたほぼ全額を使い切り、2009年度も約14億円を計上している。 私的流用や国会対策への支出が問題になった02年、当時、民主党代表だった鳩山由紀夫首相が「使われ方や、どのような状況なのかに関心を持っている」と追及。支払い記録の作成や、一定期間経過後の公表義務化を定めた「機密費流用防止法案」を国会に提出した。 01年には当時の塩川正十郎財務相が、宇野内閣の官房長官当時の話として「官房機密費を野党対策に使った」と発言。野党の追及で国会が紛糾すると、塩川氏は一転して「忘れた」ととぼけたこともあった。 平野氏の態度が煮え切らないのは、与野党議員の根回しなど国会対策への流用を明らかにすれば、自民党だけでなく、民主党にも問題が波及し、順調なスタートを切った新政権に水を差す懸念があるからだ。 また、使途を公表せず自由に使えるカネは円滑な政権運営をしていくうえで、やはり必要だと手放したくなくなったのではないか、との見方もある。 ただ、政権交代を境に透明化へ消極的な姿勢へ転じたのならば、国民の失望を招き、税金の無駄遣いを洗い出すという政権の基本姿勢を疑われる。新政権は難しい判断を迫られている。
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