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未来への提言

未来への提言

BShi  木曜 午後8:00〜9:14(毎月第1木曜)
BS1  日曜 午後8:10〜8:59(毎月第4日曜)
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2008年バックナンバー

<プレミアム8> 未来への提言  エネルギー学者 エイモリー・ロビンス〜世界をエコにデザインする〜    
 BShi   9月3日(木) 午後8:00〜9:14

世界のキーパーソンに徹底インタビューする「未来への提言」
今回は、アメリカの著名なエネルギー学者で環境問題のシンクタンク、ロッキーマウンテン研究所創設者のエイモリー・ロビンスさん(61)。
いま、世界では環境に配慮した「グリーン経済」への大転換が始まっている。自然エネルギーを使い、化石燃料をなるべく使わない新しい社会のシステムのコンセプトを、今から30年前に発想し、世界に提唱し続けてきたのが、ロビンスさんだ。
「少ない資源でいかに豊かに暮らすか」というテーマのもとに数々の研究を行い、世界20か国の政府の政策アドバイザーを務め、ウォルマートや米軍など巨大組織の環境コンサルタントを歴任。現在は、アメリカの象徴たるエンパイアステートビルのエコ改修にもとりくんでいる。あらゆるモノや建築、社会を「デザイン」し直すことで、人類全員が快適で便利な暮らしを実現できると挑戦を続けるロビンスさんに、環境と経済が両立する新しい時代について聞く。
インタビュアーは、国立環境研究所温暖化リスク評価研究室長 江守正多さん。


<プレミアム8> 未来への提言  元オランダ労組連合議長ロデバイク・デ・ワール  〜雇用不安のない社会をつくる〜  
 BShi   7月26日(日) 午後8:10〜9:00

世界のキーパーソンに徹底インタビューする「未来への提言」。今回は、長年、オランダ労働組合連合の議長を務め、「オランダ型ワークシェアリング」を築いた功績で世界に知られるロデバイク・デ・ワールさん(59)。深刻な雇用不安のなか注目を浴びている「オランダ型ワークシェアリング」は、パートタイマーであっても安心して働ける同一労働同一賃金の「均等待遇」政策だ。労働者の雇用を守りながら、企業にも雇用の柔軟性を与え、社会保障を充実させることができる独特のモデルとして、EUはオランダ型政策の導入を各国に指示、ILO(国際労働機関)も「労働時間差別の禁止」の決議に踏み切った。デ・ワールさんたちは、80年代後半、政界・財界・組合がひとつのテーブルについて話し合う雇用改革を進め、「ダッチミラクル」と呼ばれる奇跡的な経済回復を実現した。また1998年には、非正規労働者にも同様の権利を拡大した。日本では、セーフティ・ネットの綻びが目立ち、非正規雇用の労働者がワーキング・プアに陥る厳しい事態が続いている。21世紀、人間が人間らしく働いていくために必要なものは何か。社会の枠組みそのものを変えていくためには、どんな行動が必要なのか。現在はオランダ反貧困ネットワークの議長として、市民セクターの力を結集しているデ・ワールさんへのインタビューから、雇用の未来を考える。

■インタビュアー:山田昌弘(中央大学教授) 
格差社会、パラサイト・シングル、婚活などの言葉を世に送り出してきた社会学者。主な著書に『希望格差社会』『新平等社会』など


<プレミアム8> 未来への提言  元オランダ労組連合議長ロデバイク・デ・ワール  〜雇用不安のない社会をつくる〜  
 BShi   7月2日(木) 午後8:00〜9:14

世界のキーパーソンに徹底インタビューする「未来への提言」。今回は、長年、オランダ労働組合連合の議長を務め、「オランダ型ワークシェアリング」を築いた功績で世界に知られるロデバイク・デ・ワールさん(59)。深刻な雇用不安のなか注目を浴びている「オランダ型ワークシェアリング」は、パートタイマーであっても安心して働ける同一労働同一賃金の「均等待遇」政策だ。労働者の雇用を守りながら、企業にも雇用の柔軟性を与え、社会保障を充実させることができる独特のモデルとして、EUはオランダ型政策の導入を各国に指示、ILO(国際労働機関)も「労働時間差別の禁止」の決議に踏み切った。デ・ワールさんたちは、80年代後半、政界・財界・組合がひとつのテーブルについて話し合う雇用改革を進め、「ダッチミラクル」と呼ばれる奇跡的な経済回復を実現した。また1998年には、非正規労働者にも同様の権利を拡大した。日本では、セーフティ・ネットの綻びが目立ち、非正規雇用の労働者がワーキング・プアに陥る厳しい事態が続いている。21世紀、人間が人間らしく働いていくために必要なものは何か。社会の枠組みそのものを変えていくためには、どんな行動が必要なのか。現在はオランダ反貧困ネットワークの議長として、市民セクターの力を結集しているデ・ワールさんへのインタビューから、雇用の未来を考える。

■インタビュアー:山田昌弘(中央大学教授) 
格差社会、パラサイト・シングル、婚活などの言葉を世に送り出してきた社会学者。主な著書に『希望格差社会』『新平等社会』など


<再放送予定>
BShi 7月5日(日)午前10:00〜11:14
BShi 7月9日(木)午後2:00〜3:14
BS1(49分バージョン)7月26日(日)午後8:10〜8:59


未来への提言  グラミン銀行総裁 ムハマド・ユヌス  〜世界を救うソーシャル・ビジネス〜  
 BS1   6月21日(日) 午後8:10〜8:59

世界のキーパーソンに徹底インタビューする「未来への提言」。今回は、バングラデシュで最底辺の生活を送る人々に無担保で小口のお金を貸し付ける「マイクロクレジット」という画期的な銀行システムを開発し、ノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌスさん(68)。ユヌスさんが、ここ数年、新たに打ち出しているのが「ソーシャル・ビジネス」という、まったく新しいビジネスの形態だ。市場経済のビジネス手法を用いながら、利益を出資者に還元せず、すべて貧困撲滅などの公共的な目的のために使って事業を拡大し、問題の解決をめざすというこのビジネスは、「慈善事業」や「開発援助」とは一線を画し、ときにはグローバル企業とも手を組む。すでに、栄養失調の子どもたちのためのヨーグルトや、貧困者には手術代無料の眼科病院などをスタートさせたユヌスさんは、「利潤の追求だけを目的とし、歴史的な危機に陥っている市場主義経済のシステムを、根本的に救うことができるかもしれない」と語る。ノーベル平和賞に輝き、世界中を飛び回って、貧困の撲滅と新たな資本主義のありようを訴えるユヌスさんに、ソーシャル・ビジネスの可能性とそのパワーについてじっくりと聞く。

インタビュアー:鈴木俊介(NGO・AMDA社会開発機構理事長  世界各地で貧困を減らし、人々の健康を守る活動に取り組んでいる)

<再放送予定>
BS1 7月4日(土)午後4:10〜4:59


<プレミアム8> 未来への提言  グラミン銀行総裁 ムハマド・ユヌス  〜世界を救うソーシャル・ビジネス〜  
 BShi   6月4日(木) 午後8:00〜9:14

世界のキーパーソンに徹底インタビューする「未来への提言」。今回は、バングラデシュで最底辺の生活を送る人々に無担保で小口のお金を貸し付ける「マイクロクレジット」という画期的な銀行システムを開発し、ノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌスさん(68)。ユヌスさんが、ここ数年、新たに打ち出しているのが「ソーシャル・ビジネス」という、まったく新しいビジネスの形態だ。市場経済のビジネス手法を用いながら、利益を出資者に還元せず、すべて貧困撲滅などの公共的な目的のために使って事業を拡大し、問題の解決をめざすというこのビジネスは、「慈善事業」や「開発援助」とは一線を画し、ときにはグローバル企業とも手を組む。すでに、栄養失調の子どもたちのためのヨーグルトや、貧困者には手術代無料の眼科病院などをスタートさせたユヌスさんは、「利潤の追求だけを目的とし、歴史的な危機に陥っている市場主義経済のシステムを、根本的に救うことができるかもしれない」と語る。ノーベル平和賞に輝き、世界中を飛び回って、貧困の撲滅と新たな資本主義のありようを訴えるユヌスさんに、ソーシャル・ビジネスの可能性とそのパワーについてじっくりと聞く。

インタビュアー:鈴木俊介(NGO・AMDA社会開発機構理事長  世界各地で貧困を減らし、人々の健康を守る活動に取り組んでいる)

<再放送予定>
BShi 6月7日(日)午前10:00〜11:14
BShi 6月11日(木)午後2:00〜3:14
BS1(49分バージョン)6月21日(日)午後8:10〜8:59


未来への提言  日本文学研究者 ドナルド・キーン  〜もう一つの母国 日本へのメッセージ〜  
 BS1   5月24日(日) 午後8:10〜8:59

世界のキーパーソンに徹底インタビューする「未来への提言」。今回は、日本文学研究の第一人者で、長年、日本文化を海外に紹介してきたコロンビア大学名誉教授ドナルド・キーンさん(86)。ニューヨーク生まれのキーンさんと日本との出会いは、1940年、18歳のときに、たまたま手にした『源氏物語』の英訳本だった。千年も前に書かれた『美しい』作品に魅了されたキーンさんは、日本文学研究の道を志す。太平洋戦争では堪能な日本語力で海軍の情報将校を務め、終戦後の1953年、京都大学大学院に留学。万葉集や源氏物語などの古典文学から、夏目漱石、三島由紀夫などの近現代文学まで、幅広く日本文学の研究を続けてきた。同時に、当時はほとんど海外に知られていなかった日本文学の翻訳に努め、コロンビア大学に「ドナルド・キーン日本文化センター」を設立するなど日本と世界の架け橋となた。2008年、外国人として初めて文化勲章を受章している。日本人以上に日本の古典に精通し、客観的かつ愛情をもって日本を見つめてきたキーンさん。その目に、いまの日本人の心のありようや世界とのかかわり方はどのように映っているのか。キーンさんからもう一つの母国日本へのメッセージ。

■インタビュアー:作家 梁石日(ヤン・ソギル)
1936年、大阪市猪飼野生まれの在日コリアン二世。放浪の末にタクシードライバーとなり、その体験を描いた『タクシー狂躁曲』で作家デビュー。映画「月はどっちに出ている」の原作となった。『血と骨』で山本周五郎賞を受賞。『闇の子供たち』など作品多数。


プレミアム8 未来への提言  日本文学研究者 ドナルド・キーン  〜もう一つの母国 日本へのメッセージ〜  
 BShi   5月7日(木) 午後8:00〜9:14

世界のキーパーソンに徹底インタビューする「未来への提言」。今回は、日本文学研究の第一人者で、長年、日本文化を海外に紹介してきたコロンビア大学名誉教授ドナルド・キーンさん(86)。ニューヨーク生まれのキーンさんと日本との出会いは、1940年、18歳のときに、たまたま手にした『源氏物語』の英訳本だった。千年も前に書かれた『美しい』作品に魅了されたキーンさんは、日本文学研究の道を志す。太平洋戦争では堪能な日本語力で海軍の情報将校を務め、終戦後の1953年、京都大学大学院に留学。万葉集や源氏物語などの古典文学から、夏目漱石、三島由紀夫などの近現代文学まで、幅広く日本文学の研究を続けてきた。同時に、当時はほとんど海外に知られていなかった日本文学の翻訳に努め、コロンビア大学に「ドナルド・キーン日本文化センター」を設立するなど日本と世界の架け橋となった。2008年、外国人として初めて文化勲章を受章している。日本人以上に日本の古典に精通し、客観的かつ愛情をもって日本を見つめてきたキーンさん。その目に、いまの日本人の心のありようや世界とのかかわり方はどのように映っているのか。キーンさんからもう一つの母国日本へのメッセージ。

■インタビュアー:作家 梁石日(ヤン・ソギル)
1936年、大阪市猪飼野生まれの在日コリアン二世。放浪の末にタクシードライバーとなり、その体験を描いた『タクシー狂躁曲』で作家デビュー。映画「月はどっちに出ている」の原作となった。『血と骨』で山本周五郎賞を受賞。『闇の子供たち』など作品多数。


未来への提言  経済学者 ジェフリー・サックス  〜貧困のない世界を目指して〜  
 BS1   4月26日(日) 午後8:10〜8:59

世界のキーパーソンへの徹底インタビュー、今回は、コロンビア大学地球研究所の所長で、国連事務総長の特別顧問のジェフリー・サックス教授(54)。世界から貧困をなくすためアフリカなどで活動する国際経済学の第一人者だ。いま世界66億人のうち14億人が極度の貧困に苦しんでいる。これを2015年までに半減するという国連ミレニアム開発目標の達成をめざして、サックスさんは精力的に行動している。
自ら立ち上げたNPOと日本政府、UNDPとが協力して、アフリカに「ミレニアム・ビレッジ」という貧困から抜け出し、自立して経済発展できるように支援するモデル地区を設立、水道などの基礎的なインフラをつくる活動も続けている。こうした努力を続ければ、サックスさんは、2025年までに人類史上初めて、世界から貧困をなくすことができると訴えているのだ。
サックスさんは、ハーバード大学の教授を務めていた30歳のときにボリビアの3000%を越すハイパー・インフレを見事に収束させたことで世界に知られ、その後、ポーランドやロシアが市場経済に移行する際にも経済顧問として現地を訪れた。必要な時期に国際社会が必要な支援をすることの重要性を痛感したサックスさんは、いま、先進国が未曾有の経済危機に苦しむなかにあっても、途上国への支援を忘れないことが大切だと訴える。そのことが、グローバル化し、相互に依存しあう21世紀の世界では、紛争・感染症・気候変動などの被害をくいとめることにもつながるという。
元国連事務次長でカンボジアやボスニアで国連PKOを指揮し、いまはスリランカ平和構築担当の日本政府代表を務める明石康さんが、NYでサックスさんとじっくりと対談、経済危機後の世界のありようを提言、貧困撲滅への道筋を語る。

インタビュアー:明石 康(元国連事務次長)

*BShi 再放送予定
5月7日(木)午後3:00〜


未来への提言  経済学者 ジェフリー・サックス  〜貧困のない世界を目指して〜  
 BShi   4月2日(木) 午後8:00〜9:14

世界のキーパーソンへの徹底インタビュー、今回は、コロンビア大学地球研究所の所長で、国連事務総長の特別顧問のジェフリー・サックス教授(54)。世界から貧困をなくすためアフリカなどで活動する国際経済学の第一人者だ。いま世界66億人のうち14億人が極度の貧困に苦しんでいる。これを2015年までに半減するという国連ミレニアム開発目標の達成をめざして、サックスさんは精力的に行動している。
自ら立ち上げたNPOと日本政府、UNDPとが協力して、アフリカに「ミレニアム・ビレッジ」という貧困から抜け出し、自立して経済発展できるように支援するモデル地区を設立、水道などの基礎的なインフラをつくる活動も続けている。こうした努力を続ければ、サックスさんは、2025年までに人類史上初めて、世界から貧困をなくすことができると訴えているのだ。
サックスさんは、ハーバード大学の教授を務めていた30歳のときにボリビアの3000%を越すハイパー・インフレを見事に収束させたことで世界に知られ、その後、ポーランドやロシアが市場経済に移行する際にも経済顧問として現地を訪れた。必要な時期に国際社会が必要な支援をすることの重要性を痛感したサックスさんは、いま、先進国が未曾有の経済危機に苦しむなかにあっても、途上国への支援を忘れないことが大切だと訴える。そのことが、グローバル化し、相互に依存しあう21世紀の世界では、紛争・感染症・気候変動などの被害をくいとめることにもつながるという。
元国連事務次長でカンボジアやボスニアで国連PKOを指揮し、いまはスリランカ平和構築担当の日本政府代表を務める明石康さんが、NYでサックスさんとじっくりと対談、経済危機後の世界のありようを提言、貧困撲滅への道筋を語る。

インタビュアー:明石 康(元国連事務次長)

*BS1 放送予定
4月26日(日) 午後8:10〜8:59

*BShi 再放送予定
4月5日(日)午前10:00〜
4月9日(木)午後2:00〜
5月7日(木)午後3:00〜


未来への提言  現代美術家 蔡國強  〜火薬アートに込めた平和への思い〜  
 BS1   3月28日(土) 午後10:10〜11:00

世界のキーパーソンに徹底インタビューするシリーズ「未来への提言」。今回は、中国人現代美術家でニューヨークを拠点に活動を続けている蔡國強さん。火薬を使用した壮大なプロジェクトで世界的に知られる蔡さんは、北京オリンピックのヴィジュアル・ディレクターを務め、合計50万発に及ぶ花火アートの責任者として活躍した。1999年には 「第48回ヴェネツィア・ビエンナーレ」金獅子賞を受賞、2008年にはニューヨークの現代美術の殿堂・グッゲンハイム美術館で回顧展を開いた蔡さんの実力は、中国のみならず、世界の現代美術界から高い評価を得ている。その原点となっているのが、故郷中国が生んだ発明“火薬”への強い思いだ。20世紀を「キノコ雲のある世紀」と表現し、「火薬には、よい使われ方も悪い使われ方もあることを見てきた。それは破壊も再生ももたらす」と語る彼の作品には、東洋の伝統文化や思想、宇宙観に根ざした人類の歴史や文明に対する鋭い眼差しがある。2008年には、人類の平和を希求する美術作家に贈られる第7回ヒロシマ賞も受賞した蔡さん。中国を飛び出し、世界に作品を送り出す蔡さんに、芸術を通しての未来への提言をじっくりと聞く。                   

インタビュアー: 片岡鶴太郎(俳優・画家)


未来への提言  人類学者 エマニュエル・トッド  〜アメリカ“帝国”以後の世界を読む〜  
 BS1   2月28日(土) 午後10:10〜11:00

世界のキーパーソンに徹底インタビューするシリーズ「未来への提言」。今回は、フランスが誇る気鋭の人類学者エマニュエル・トッドさん(57)。世界的ベストセラーとなった「帝国以後」では、イラク戦争の開戦前に「アメリカ帝国の崩壊」を断言し、さらには今日の「アメリカ発世界経済危機」をも予言した。フランスの著名な作家ポール・ニザンの孫として生まれたトッドさんは、25歳の若さで、乳児死亡率の分析から、いちはやくソビエト連邦の崩壊を見抜き、世界的に注目された。現在はパリの国立人口統計学研究所の研究員を務めている。
トッドさんは政治、経済、イデオロギーから世界情勢を読み解くのではなく、その根底にある人口動態や家族構造、文化の多様性こそが歴史を動かしていることに注目、独自の分析を行ってきた。
オバマ新大統領を迎えたアメリカはどこへ向かうのか、グローバル化と自由貿易は中国に何をもたらすのか、そしてアメリカへの依存から脱却できない日本の未来に関する考察など、トッドさんの言葉は辛辣だが示唆に富む。未曾有の経済危機に直面し、世界が混迷を深める中、現代の予言者とも言われるトッドさんが、アメリカ“帝国”以後の激動の世界情勢を読み解き、提言する。

インタビュアー:三神万里子(ジャーナリスト)


未来への提言スペシャル  環境学者レスター・ブラウン  〜藤原紀香が聞く “低炭素社会”への道〜  
 BS1   1月2日(金) 午後7:10〜9:00

世界のキーパーソンに徹底インタビューする「未来への提言」。人類の命運を握るポスト京都議定書の枠組みを決める2009年の新春、環境学の第一人者レスター・ブラウン氏(74)に藤原紀香さんが「低炭素社会のつくりかた」を聞く100分のスペシャル版。1974年にワールドウォッチ研究所を設立したブラウン氏は、膨大なデータを元にグローバルな視点から環境・経済・社会を分析、「地球白書」を発表するなど世界のリーダーたちに大きな影響を与えてきた。“未来の予言者”とも言われ、2005年、「バイオ燃料の増産の結果、車と人がトウモロコシを奪い合うことになる」と警告、ことし世界は未曾有の食糧危機に直面した。ブラウン氏は、2020年までにCO2排出量の80%削減は可能だと主張し、“エコ・エコノミー”を提唱している。番組では、藤原紀香さんのニューヨーク・エコレポートや、デンマークの自然エネルギー100%の島、中国山東省のソーラータウン、日本の電気自動車など世界各地の先進的な取り組みを交えながら、低炭素社会の未来像と実現への道筋を考える。

インタビュアー:俳優 藤原紀香
(NHKの環境特別番組「SAVE THE FUTURE」メインパーソナリティ。サイクロンの被害を受けたバングラディシュ、水没の危機にあるツバルなどを取材)

*午後8:00〜8:10 BSニュース


未来への提言  ウイルス学者 ナンシー・コックス  〜新型インフルエンザと戦う〜  
 BS1   11月22日(土) 後10:10〜11:00

世界のキーパーソンに徹底インタビューする「未来への提言」。
今回は、世界的な大流行(感染爆発・パンデミック)が懸念される新型インフルエンザと戦う著名なウイルス学者のナンシー・コックス博士(60)。CDC(アメリカ疾病対策センター)のインフルエンザ予防局長を16年にわたって務めている。今、世界中で、毒性の高い鳥インフルエンザが鳥から人に感染し、死者が出ている。この病原体、H5N1ウイルスが更に変異を起こし、人から人に感染する新型インフルエンザとなった場合、パンデミックによって、日本で64万人、世界全体で1億人が犠牲となるという予測もある。コックス博士は、新型インフルエンザのウイルスやワクチンの研究に取り組むとともに、アメリカそして世界のパンデミックを防ぐための対策を推進している。2006年には、タイム誌の 「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれた。膨大な犠牲者を出したスペイン風邪や香港風邪の被害を大きく超えることが確実視されている新型インフルエンザのパンデミック。それはもはや「起こるか起こらないか」ではなく「いつ起こるか」が焦点となっている。被害を最小限に食い止めるには何が必要なのか、コックス博士に聞く。

【インタビュアー】押谷仁(東北大学大学院教授 WHO西太平洋地域事務局で感染症地域アドバイザーを務めた)


未来への提言  映画監督 チャン・イーモウ  〜感動は国境を越える〜  
 BS1   10月25日(土) 午後10:10〜11:00

世界のキーパーソンに徹底インタビューするシリーズ「未来への提言」。今回は、北京オリンピックの開会式・閉会式の総監督を務め、世界中から注目を浴びている映画監督のチャン・イーモウ、57歳。チャン・イーモウは北京電影学院撮影科を卒業。西安映画製作所でカメラマンを務め、その後、監督に転身。「紅いコーリャン」でデビュー後、ベルリン映画祭金熊賞やベネチア映画祭金獅子賞など数多くの海外の賞に輝いている。チャン・イーモウが辿ってきた映画人生は、常に中国の現代史と共にある。解放戦争後の貧困、文革、政治的混乱、経済発展の波――そのうねりの中で、チャン・イーモウは一度も祖国を離れず、中国を舞台に映画を作り続けている。その美しく力強い映像と、人間を描きこんだ物語は、国境を越え、世界中の観客の心に繋がっている。「映画は永遠に新しくなければならない」と、創造へのエネルギーを絶やさずに挑戦し続けるチャン・イーモウ監督。北京オリンピックの開閉会式という世紀のイベントを終えたばかりの張監督に、その舞台裏を語ってもらうと同時に、映画に対する情熱と、映画の未来、映画を通じた国境を越えた文化交流への思いをじっくりと聞く。

【インタビュアー】香川照之(俳優)
中国映画にも出演、演技派の俳優として高い評価を得ている。2002年のカンヌ映画祭でグランプリを受賞した「鬼が来た!」(チアン・ウェン監督監督 同監督は、チャン・イーモウのデビュー作「紅いコーリャン」の主演男優)で好演。


未来への提言  氷河学者 ロニー・トンプソン  〜氷が語る地球の危機〜  
 BS1   9月27日(土) 午後10:10〜10:59

世界のキーパーソンに徹底インタビューするシリーズ「未来への提言」。今回は、世界の氷河研究の第一人者で米オハイオ州立大学教授のロニー・トンプソン博士。ヒマラヤ・アンデス・キリマンジャロと、地球の最も高いところで30年にわたって氷を掘り続け、氷に刻まれた気候変動の歴史を読み解いてきた。年々進行する地球温暖化。中でもその影響が最も早く顕著に現れ、「炭鉱のカナリア」といわれているのが山岳氷河である。いま、ヒマラヤなど世界の氷河の融解が急速に進み、国連IPCCは、将来、深刻な水危機を引き起こすと警鐘を鳴らしている。しかし、数千メートルの高山の上という地理的制約から研究はあまり進んでこなかったのが実情だ。「氷の冒険家」と呼ばれるトンプソン博士は、その前人未到の分野のパイオニアで、“インディ・ジョーンズに最も近い実在の人物”とまで言われる。彼の手によって初めて、高山の氷河が急速に縮小し、あと数十年で消滅の危機にあることが判ったのである。番組では、トンプソン博士の最新の研究や、アジアの水系に大きな影響を及ぼすヒマラヤの山岳氷河の実態をなどをまじえて、高地の氷が警告を発する温暖化の危機について考えていく。

【インタビュアー】福井弘道 慶應義塾大学教授
(環境科学の専門家で、この5月にもヒマラヤの氷河を調査した)


未来への提言  思想家 ノーム・チョムスキー  〜真の民主主義を育てる〜  
 BS1   8月30日(土) 午後10:10〜11:00

今回は、アメリカの言語学者で思想家のノーム・チョムスキー博士(79)。マサチューセッツ工科大学の言語学教室の教授で、現存する思想家の中でその発言が最も引用されるといわれ、ニューヨークタイムズが「世界で最も重要な知識人」と呼ぶチョムスキー博士は、ベトナム戦争以来、徹底した反戦思想を掲げ、“闘う知識人”として知られる。米国内でも常に論争の的となってきた博士だが、同時多発テロ以降はとくに、アメリカの外交政策を辛辣に批判している。
チョムスキー博士は、常に民主主義への警鐘を鳴らし、私たち大衆に必要なことは、自ら調べ、考え、判断する力を身につけることだと説き続けてきた。9.11からまもなく7年、テロとの戦いやグローバリズムには綻びが見え、アメリカでも変革を求める声が高まり、メディアや反戦運動にも新たなうねりが芽生え始めた。真の民主主義を育てるためには、いま何が必要なのか。世界恐慌の時代に幼少期を過ごしまもなく80歳を迎えるチョムスキー博士に、じっくりと聞く。

インタビュアー:宮川繁 マサチューセッツ工科大学(MIT)教授 言語学者M
ITの講義情報を無償でサイトに公開する「オープンコースウェア」を提唱、2001年、世界に先駆けスタートさせた。日本の19の大学にも広がっている。


未来への提言  指揮者 ワレリー・ゲルギエフ  〜前橋汀子が聞く音楽の力  
 BS1   7月26日(土) 午後10:10〜11:00

今回は、ロシアが誇る世界的指揮者のワレリー・ゲルギエフ さん(55)。ゲルギエフさんは、1988年、弱冠35歳でサンクトペテルブルクのキーロフ劇場(現マリインスキー劇場)の芸術監督兼主席指揮者に就任。ソ連邦崩壊の激動の中、ダイナミックな統率力で次々と改革を進め、混乱の中にあった劇場を甦らせた。現在では、NYメトロポリタン・オペラの首席客演指揮者、ロンドン交響楽団の主席指揮者も務め、世界を舞台に精力的に活躍している。
ゲルギエフさんは、音楽を通じて平和を訴える活動にも取り組んでいる。自らの故郷オセチアで起きた小学校占拠事件など、コーカサス地方で近年紛争が絶えないことに心を痛めてきた。ゲルギエフさんが自費で主催した「コーカサスに平和を」コンサートのオーケストラメンバーには、ロシア人だけでなく、オセチア人、チェチェン人、グルジア人などが、民族や宗教の壁を超えて参加。今年2月には、北オセチアの首都に「ゲルギエフ記念カフカス音楽文化センター」の建設を発表した。
6月、ゲルギエフさんが創設し情熱を注いでいる『白夜の星 国際音楽祭』が、サンクトペテルブルクで開催される。番組では、この音楽祭を舞台にカリスマ指揮者に密着、音楽の持つ力とその魅力、そして、新たなステージを歩み始めた故国ロシアに託す夢や、音楽を通じた平和への思いをじっくりと聞く。

【インタビュアー】前橋汀子(バイオリニスト レニングラード音楽院に留学し、世界的に活躍)


未来への提言スペシャル  地球温暖化に挑む  〜世界のキーパーソンからのメッセージ  
 BS1   6月28日(土) 午後10:00〜11:00

人類最大の課題「地球温暖化」。洞爺湖サミットが開かれる2008年の元日、NHKは巻頭言として、温暖化に挑む世界のキーパーソンからのメッセージをお届けする。プレゼンターは日本科学未来館の館長で宇宙飛行士の毛利衛さん。宇宙から青い地球を見つめた毛利さんは、温暖化研究の権威でNASAゴダード宇宙研究所所長のジェームズ・ハンセン博士とNYで対談し、北極海の氷が最小になるなど温暖化のスピードが加速しているという科学者からの警告を伝える。番組では、温暖化が進むと世界経済はどうなるのか「対策のコスト」を分析したイギリスの経済学者ニコラス・スターン博士にもロングインタビュー。博士は「このまま対策をせずCO2が増加していった場合、世界経済が被る損失は“世界大戦並み”になる。いま対策をする方が予測される損害より安くつく」と訴える。さらに、ノーベル平和賞受賞の国連IPCCのパチャウリ議長やゴア元米副大統領、俳優レオナルド・ディカプリオなどからのメッセージや、最先端の温暖化対策もあわせて紹介し、かけがえのない地球の危機に対して私たちにいま何ができるのか「未来への提言」を探る。 

出演:毛利衛(日本科学未来館館長 宇宙飛行士)、枝廣淳子(環境ジャーナリスト)、鎌倉千秋アナウンサー
ジェームズ・ハンセン(NASAゴダード宇宙研究所所長)、ニコラス・スターン(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス教授)、
アル・ゴア(前米副大統領)、レオナルド・ディカプリオ(俳優)、ラジェンドラ・パチャウリ(国連IPCC議長)

*総合テレビ 2008年1月1日に放送したもの


未来への提言  社会起業家 ビル・ドレイトン  〜世界を動かすチェンジメーカー〜  
 BS1   5月24日(土) 午後10:10〜11:00

世界のキーパーソンに徹底インタビューし、21世紀の未来に道しるべを提示するシリーズ「未来への提言」。今回は、「社会起業家の父」と呼ばれるビル・ドレイトンさん(64)。アフリカやアジアなど世界62か国で活動するNPOアショカの創設者で代表を務めるドレイトンさんは、30年近くにわたり、貧困や格差に苦しむ人々に新たな発想で手を差し伸べてきた。その手法は、「社会起業(ソーシャル・アントレプレナー)」と呼ばれている。寄付や施しではなく、ビジネスの手法を用い、市民ひとりひとりの可能性を引き出すことで社会問題を解決していこうというものだ。アショカは、有望な社会起業家を見つけ出し、生活費など経済的な資金を出資したり、経営にアドバイスを行っている。支援してきた社会起業家は2000人以上。ノーベル平和賞を受賞したバングラデシュのグラミン銀行総裁ムハマド・ユヌスさんもアショカのアドバイザーを務め、そのネットワークは世界を変える大きな力となっている。インドの貧しい人々に安い医療機器を提供する。ブラジルのスラム街の子どもたちにコンピューターを教える。低所得家庭の子どもたちの大学進学を手助けする。教育や医療など、取り組むテーマは多岐にわたり、先進国でも広がりを見せている。社会起業の波は貧困や格差といった問題を乗り越える鍵になりうるのか? 「社会起業家の父」へのロングインタビューから、みんながチェンジメーカーになる新たな時代の潮流を見つめる。
【インタビュアー】金子郁容(慶應義塾大学教授)


未来への提言  環境法律家 王 燦発  〜中国・汚染との戦い〜  
 BS1   4月26日(土) 午後10:10〜11:00

世界のキーパーソンに徹底インタビューし、21世紀の未来に道しるべを提示するシリーズ「未来への提言」。今回は、中国の環境保護関連の法律家であり、汚染被害者の救済に取り組んでいる王燦発(おうさんぱつ)さん(49)。北京の政法大学の教授を務める王さんは、1998年「汚染被害者法律支援センター」を設立、急速な経済発展の影で深刻な環境汚染に苦しむ庶民の訴訟を手助けしてきた。去年10月、アメリカの雑誌「TIME」で、ゴア前米大統領らと並んで世界の環境保護の英雄の一人に選ばれるなど、世界的に大きな注目を集めている。経済発展が優先される政策方針の下、どんなに立派な法律を作っても執行されない現状にジレンマを感じてきた王さんは、大学の同僚や弁護士たちとボランティア団体を組織し、無償で法律相談にのったり、訴訟を起こすなど、汚染被害者の救済に直接乗り出した。土壌や水が汚染され生活の術が絶たれた農民たちは、訴えるための費用すら捻出できないからだ。王さんたちは、こうした格差社会の底辺であえぐ人々を助け、相談は1万件以上、政府や企業を相手に起こした訴訟は100件以上に上る。
水質汚濁、大気汚染、そしてCO2の排出がもたらす地球温暖化。一衣帯水の隣国・中国の環境汚染を食い止めることは、日本にとっても重要な課題である。未曾有の経済発展の影で被害者はどんな状況に置かれているのか、そして我々にいま何ができるのか。環境保護活動の最前線で格闘する王さんの言葉から、未来への提言を探る。
【インタビュアー】植田和弘(京都大学経済学部教授・環境経済学)