県と上田市、上田地域広域連合は19日、同市の上田文化会館で「地域医療をともに考えるシンポジウム」を開催した。同市では、地域の中核病院である国立病院機構長野病院でお産が扱えなくなるなど、医師不足の影響が懸念されており、会場には市民ら300人以上が集まった。
医療関係者と住民の対話を進めるなどの活動をするNPO「地域医療を育てる会」の藤本晴枝理事長が基調講演した。藤本理事長は医療従事者の過酷な労働実態や、夜間・休日に重症でない患者が救急外来を受診する「コンビニ受診」増加といった問題点を指摘した。
母袋創一・上田市長や鳥海宏・県医師確保対策室長、同市医師会などを交えた討議もあり、「国は新たに医師供給システムを作るべきだ」「全国的に医師の争奪戦になっている」などの意見が出た。【光田宗義】
毎日新聞 2009年9月20日 地方版