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【群馬】

『中止撤回が先』 八ッ場ダム建設問題 政府方針に怒り続出

2009年9月20日

八ッ場ダム建設中止の撤回を求め、今後の対応を協議する地元住民の代表ら=長野原町で

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 長野原町の八ッ場(やんば)ダムの建設事業中止を明言して二十三日に現地を視察する前原誠司国土交通相に対し、高山欣也町長が十九日、中止の撤回を求める文書を送ったが、地元では「撤回しなければ話し合いに応じられない」と強硬な構えを見せている。 (山岸隆)

 今回の決定に先立って、中止撤回を求める「八ッ場ダム推進吾妻住民協議会」(萩原昭朗会長)は十八日夜、町内で役員会を開き、今後の対応を協議。役員からは「中止を明言しておいて地元の思いを聞いても意味がない」と不満が噴出した。

 役員会には水没予定地の代表ら十三人が出席した。萩原会長は「民主党政権になって、住民の声も聞かずにダム建設中止の発表があり、残念だ。皆さんの協力をお願いしたい」とあいさつ。今後は吾妻郡内の七町村の首長と議会議長を顧問、商工会など各種団体の会長を幹事に迎え、十月末までに建設推進の署名を広範囲で集める方針を確認した。

 この後、長野原町の幹部が役員らに地元を代表して前原国交相との意見交換へ出席するよう要請したが、中止発言後の現地入りに対する異論や反論が相次いだ。

 「参加するのは負けだ」「ボイコットすることで地元の意思を通すのも一つの手段」「パフォーマンスだ」「最初に中止ありきでは同じ土俵に乗れない」「質問状を突き付けて回答を用意させた方がいい」−などの意見が出て、地元の反発と憤りの激しさをあらためて感じさせる会議となった。

  ◇    ◇

 前原国交相は二十三日、午前中に現地入りし、ダムサイトの建設予定地と、水没予定地の住民が移り住む川原湯地区と打越地区の代替地を視察する。午後に大沢正明知事や長野原町の高山欣也町長、地元住民と意見交換の後、記者会見を行う。

 

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