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閣内不一致を露呈、亀井金融相のモラトリアム法案 藤井財務相は実現性疑問視

2009.9.19 22:19
インタビューに答える亀井金融・郵政改革相=18日、金融庁インタビューに答える亀井金融・郵政改革相=18日、金融庁

 中小企業の借入金などの返済猶予(モラトリアム)制度を導入しようという亀井静香郵政改革・金融相の案に対し、銀行界に困惑と反発が広がっている。藤井裕久財務相が亀井担当相の構想の実現性を疑問視するなど、鳩山政権の「閣内不一致」の象徴にもなりかねない状況だ。

 「(銀行が)借り手の立場を考えないから国が口出ししようという話だ」

 モラトリアムの狙いについて亀井金融相はこう説明し、10月の臨時国会で金融機関に中小企業向け融資と個人向け住宅ローンの元本返済を3年猶予させる「モラトリアム法案」を提出する意向を示している。

 昭和初期の金融恐慌のさい、3週間の返済猶予を認めた歴史はあるものの、長期にわたる例はない。国が借り手に有利になるよう条件変更を強いる制度は異例だ。

 亀井金融相は18日、与党3党合意の「貸し渋り・貸しはがし防止法」を引きあいに、モラトリアムを疑問視する藤井財務相を「自分の仕事をすればいい」と批判。藤井財務相は19日、昭和初期と現在の景気を比べて「そこまでの状況か」と改めて疑問を投げかけるなど、足並みの乱れを露呈した格好だ。

 「中小企業への貸し渋りや貸しはがしはない」

 亀井金融相の方針について、全国地方銀行協会の小川是(ただし)会長は、こう話す。

 国内銀行の融資全体のうち中小・零細企業への融資や住宅ローンは6割強を占めており、返済が滞れば不良債権処理額が膨らむのは間違いない。返済猶予を警戒して金融機関が新規融資を控える事態も想定され、「逆に貸し渋りや貸しはがしが増える」との見方も多い。金融機関としては「政治が混乱を引き起こす事態は避けたい」(大手銀行幹部)わけだが、亀井金融相の発言以来、銀行株が下落傾向にあることがいらだちを募らせているようだ。

 民主党には、借入金の元本返済を2年間猶予する代わりに、日銀が金融機関に無利子で元本分を融資する「中小企業元本返済猶予法」制定を目指す動きがある。マニフェスト(政権公約)に盛り込まれなかったのは、返済猶予が「モラルハザード(倫理の欠如)を招く」ためだ。

 モラトリアムを実行しようとする場合、難しいのは返済猶予対象の線引きをどこでするかといった制度設計。連休明けの24日、定例記者会見を開く全国銀行協会は、亀井金融相に「現実的な政策」を訴えることになりそうだ。

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インタビューに答える亀井金融・郵政改革相=18日、金融庁
インタビューに答える亀井金融・郵政改革相
インタビューに答える藤井裕久財務相
インタビューに答える藤井裕久財務相=18日午後、東京・霞ヶ関の財務省(中鉢久美子撮影)
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