士別市は、士別市立病院から民間病院に移った直後に男性小児科医(当時31歳)が過労死した問題で、見舞金7000万円を払うことで遺族との和解を決めた。18日、市議会に見舞金を支出する議案を提案し可決された。近く正式に和解する。
小児科医は02年4月~03年9月、同病院に勤務。10月に富良野市内の民間病院に移ったが、同6日早朝に意識不明になり死亡した。死亡前の1年間の時間外労働が毎月100時間を超え、休日も月に1、2日だった。
遺族は04年に地方公務員災害補償基金道支部に公務災害補償を請求したが認められず、処分取り消しを求め審査請求した結果、08年に公務災害を認定された。これを受け遺族が今年3月、市に損害賠償を請求。市は「遺族の心情を考えれば、早期解決が望ましい」として和解を決めた。
遺族側代理人の高崎暢弁護士は「事実上、市が安全配慮義務違反を認めたと判断していい。医師の過酷な労働条件に警鐘を鳴らす意義は大きい」としている。【横田信行】
毎日新聞 2009年9月19日 地方版