県立の尼崎病院(尼崎市)とこども病院(神戸市須磨区)であった2件の医療事故で、県は25日開会の県議会に、和解金計7050万円を支払う議案を提出することを決めた。「より早期に適切な対応をしていれば延命の可能性があった」などとしている。
尼崎病院では、当時60代の男性入院患者が06年1月に胆管細胞がんと診断され、同年9月に死亡した。05年1月に肝臓や胆管の異常を調べる数値が高かったが、詳細検査などをしなかった。1750万円を支払う方針。
こども病院では05年11月30日、10代の男性患者が腸閉塞(へいそく)で入院。翌日午前6時半に腹痛などの訴えを看護師が医師に報告したが、別の急患に対応中で直接診察できなかった。同8時15分に別の医師が回診し、急きょ手術準備を始めたが容体が急変。手術したが、翌年3月に死亡した。5300万円を支払う方針。
県病院局の荒木一聡副管理者は「大変申し訳なく思う。安心してかかれる県立病院の実現を目指す」とコメントした。【川口裕之】
〔神戸版〕
毎日新聞 2009年9月19日 地方版