現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 社会
  4. その他・話題
  5. 記事

広島平和記念式「左翼の大会」田母神発言、支持者も困惑(1/2ページ)

2009年9月18日16時58分

写真:約5万人が参加した今年の平和記念式=8月6日、午前8時25分、広島市中区、青山芳久撮影約5万人が参加した今年の平和記念式=8月6日、午前8時25分、広島市中区、青山芳久撮影

写真:田母神俊雄氏田母神俊雄氏

 日本の侵略を否定する論文を発表して更迭された元航空幕僚長の田母神(たもがみ)俊雄氏(61)が、広島市で8月6日の原爆の日に開かれる平和記念式について、「左翼の大会」と批判を繰り返している。だが、田母神氏の主張に共鳴する広島の関係者も、この発言には首をかしげる。

 「広島で8月6日に講演をしたんですけれども、驚くことを発見しました」。衆院選さなかの8月24日。堺市内の駅前で、大阪17区に立候補した改革クラブ前職、西村真悟氏(61)の応援演説をした田母神氏は、唐突に平和記念式のことを話し始めた。

 「あそこに並んでいる人は広島市民も広島県民もほとんどいないんです。被爆者も、被爆者の家族もほとんどいない。誰が並んでいますか。全国から集まった左翼です」

 翌25日には宮崎市で「日本弱体化の左翼運動」、26日には大阪府八尾市で「反日運動」と、衆院選候補の応援演説で式典への批判を重ねた。本人によると、最近も講演で同じ話をしているという。

 ただ、8月6日に講演で広島を訪れた田母神氏は式典には参加していない。発言の根拠については、「広島の知人がみんなそう言っている」と取材に答えた。

 その説明に、広島市安佐南区の会社経営、蓼征成(たで・まさなり)さん(49)は「これほど大胆な発言でありながら、根拠はそれだけですか」と戸惑う。田母神氏の講演会を催した日本会議広島の理事だ。

 蓼さんは、田母神氏の持論である核武装論に「有力な選択肢の一つ」と共感している。が、平和記念式への見解は別だ。「田母神氏のように考えている人は私の周りには見あたらない。確かな情報源をお持ちと思うが……」

前ページ

  1. 1
  2. 2

次ページ

PR情報
検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内