上関町長島での原発建設計画を巡り、埋め立て工事の着手を目指す中国電力と同町祝島の漁民らとのにらみ合いは11日も8時間半にわたって続いた。灯浮標(ブイ)が置いてある平生町田名埠頭(ふとう)近くの海上では、漁船が中電の船に横付けして抗議、陸上で座り込むメンバーも埠頭のフェンス越しに「中電帰れ」のコールを繰り返した。
11日午前6時ごろから、祝島の漁船約20隻が埠頭の岸壁に集結し、陸上に約60人が座り込んだ。7時半ごろに現れた中電の船に漁船1隻が接近し、中電の船を押し返した。漁船に乗った島の女性たちが「海は売っていませんから帰って下さい」「生活の場を失うわけにはいかない」などと約1時間にわたって訴えた。女性たちは午後3時ごろにも船に乗り、再び激しく抗議した。
「上関原発を建てさせない祝島島民の会」の山戸貞夫代表が一時下船し、陸上で「中電は私たちの苦しみが分かっていない」と訴えた。山戸代表によると、12日午前9時から県内の反原発グループが田名埠頭に集まり、抗議集会を開く予定。【近藤聡司、内田久光】
〔山口版〕
毎日新聞 2009年9月12日 地方版