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山口・上関原発建設計画:埋め立て阻止へ海上にらみ合い 反対運動、長期化も /広島

 ◇島民ら「きれいな海を汚すな」

 山口県上関町で原子力発電所建設計画を進める中国電力は10日、海域の埋め立て工事に着手する予定だったが、予定地対岸にある同町祝島の漁民らが漁船による反対行動を繰り広げ、海上でのにらみ合いの結果、中電は午後3時過ぎに作業を断念した。中電は11日も作業を試みるが、島民らも阻止する構えで、にらみ合いが長期化する可能性も出ている。【近藤聡司、内田久光、丹下友紀子】

 中電はこの日、海上で作業区域を示すため、沖合に灯浮標(ブイ)を設置する予定だった。建設予定地から約12キロ離れた同県平生町の田名埠頭(ふとう)から台船でブイを運ぶ予定だったが、午前6時から祝島の漁船約30隻が埠頭に集結。約1時間半後に現れた台船の接近を阻んだ。

 漁船は「上関原発 絶対反対」などと書いた旗を立てた。また、ブイが置かれた埠頭周辺には、女性を中心に約70人が座りこみ「きれいな海を汚すな」などと声を上げた。中電側は拡声機を使って説得を続けた。

 作業中止を決定後、中電上関原発準備事務所の村田誠総務・広報部長は「中止が大きく影響するとは思っていない。作業を実施していくため、反対派の方にも理解を得られるよう地道に努力していきたい」と話した。

 原発計画は、約14ヘクタールの海面を埋め立て、陸域と合わせ約33ヘクタールに原子炉2基を建設する。中電は4月に陸域の工事に着手、山林の伐採などを先行させていた。

 ◇「着手、許せない」--3市民団体、中電に抗議

 広島市では、中区の中電本社に三つの市民団体のメンバー15人が訪れ、「地元住民の理解が得られないまま、工事に着手することは絶対に許せない」として、山下隆社長あての抗議文を提出した。

 「原発はごめんだヒロシマ市民の会」の木原省治代表は「祝島の住民の9割が原発建設に反対している。これだけ反対が強い中で、スケジュールを強引に推し進めるのはおかしい」と述べた。応対した中電の担当者は「適正な手続きに基づいて進めている」と答えた。【樋口岳大】

毎日新聞 2009年9月11日 地方版

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